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相互作用

本剤は、肝代謝酵素チトクロームP450(CYP)3A4阻害作用を有することから、CYP 3A4で代謝される薬剤と併用したとき、併用薬剤の代謝が阻害され血中濃度が上昇する可能性がある。また、本剤は、P-糖蛋白質に対する阻害作用を有することから、P-糖蛋白質を介して排出される薬剤と併用したとき、併用薬剤の排出が阻害され血中濃度が上昇する可能性がある。一方、本剤はCYP 3A4によって代謝されることから、CYP 3A4を阻害する薬剤と併用したとき、本剤の代謝が阻害され未変化体の血中濃度が上昇する可能性があり、また、CYP 3A4を誘導する薬剤と併用したとき、本剤の代謝が促進され未変化体の血中濃度が低下する可能性がある。[「薬物動態」の項参照]

(1) 併用禁忌とその理由

併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ピモジド
〔オーラップ〕
QT延長、心室性不整脈(Torsades de pointesを含む)等の心血管系副作用が報告されている。 本剤のCYP 3A4に対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。
エルゴタミン(エルゴタミン酒石酸塩、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩)含有製剤
〔クリアミン〕
〔ジヒデルゴット〕
血管攣縮等の重篤な副作用をおこすおそれがある。
タダラフィル
〔アドシルカ〕
左記薬剤のクリアランスが高度に減少し、その作用が増強するおそれがある。
アスナプレビル
〔スンベプラ〕
アスナプレビルの血中濃度が上昇し、肝臓に関連した副作用が発現し、重症化するおそれがある。
バニプレビル
〔バニヘップ〕
バニプレビルの血中濃度が上昇し、悪心、嘔吐、下痢の発現が増加するおそれがある。
スボレキサント
〔ベルソムラ〕
スボレキサントの作用が著しく増強するおそれがある。

(解説)

■ ピモジド[オーラップ]

健康成人12例を対象とした試験において、クラリスロマイシンの併用により、ピモジドの血中濃度が上昇し、QT間隔延長の増大が認められたとの報告がある。[海外報告]

■ エルゴタミン(エルゴタミン酒石酸塩、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩)含有製剤
  [クリアミン、ジヒデルゴット]

クラリスロマイシンとエルゴタミン酒石酸塩含有製剤の併用により、両下肢の血管攣縮、疼痛、蒼白、浮腫、冷感が発現したとの報告がある。[海外報告]

 

(2) 併用注意とその理由

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ジゴキシン 嘔気、嘔吐、不整脈等が報告されているので、ジゴキシンの血中濃度の推移、自覚症状、心電図等に注意し、異常が認められた場合には、投与量を調節する等の適切な処置を行うこと。 本剤の腸内細菌叢に対する影響により、ジゴキシンの不活化が抑制されるか、もしくはP-糖蛋白質を介したジゴキシンの輸送が阻害されることにより、その血中濃度が上昇する。
スルホニル尿素系血糖降下剤

グリベンクラミド 等

低血糖(意識障害に至ることがある)が報告されているので、異常が認められた場合には、投与を中止し、ブドウ糖の投与等の適切な処置を行うこと。 機序は明確ではないが、本剤との併用により、左記薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある
カルバマゼピン
テオフィリン
アミノフィリン水和物
シクロスポリン
タクロリムス水和物
左記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、左記薬剤の血中濃度の推移等に注意し、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 本剤のCYP 3A4に対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。
アトルバスタチンカルシウム水和物
シンバスタチン

ロバスタチン(国内未承認)
左記薬剤の血中濃度上昇に伴う横紋筋融解症が報告されているので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
腎機能障害のある患者には特に注意すること。
コルヒチン コルヒチンの血中濃度上昇に伴う中毒症状(汎血球減少、肝機能障害、筋肉痛、腹痛、嘔吐、下痢、発熱等)が報告されているので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
なお、肝臓又は腎臓に障害のある患者で、コルヒチンを投与中の患者には、本剤を併用しないこと。
ベンゾジアゼピン系薬剤
(CYP 3A4で代謝される薬剤)
〔トリアゾラム ミダゾラム 等〕
非定型抗精神病薬
(CYP 3A4で代謝される薬剤)
〔クエチアピンフマル酸塩 等〕
ジソピラミド
エプレレノン
エレトリプタン臭化水素酸塩
カルシウム拮抗剤
(CYP 3A4で代謝される薬剤)
〔ニフェジピン ベラパミル塩酸塩 等〕
ジエノゲスト
ホスホジエステラーゼ5阻害剤
〔シルデナフィルクエン酸塩 タダラフィル 〔シアリス、ザルティア〕等〕
クマリン系抗凝血剤

ワルファリンカリウム 等

オキシコドン塩酸塩水和物
フェンタニル/フェンタニルクエン酸塩
左記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
抗凝固剤
(CYP 3A4で代謝され、P-糖蛋白質で排出される薬剤)
〔アピキサバン リバーロキサバン〕
(P-糖蛋白質で排出される薬剤)

ダビガトランエテキシラート

エドキサバントシル酸塩水和物

本剤のCYP 3A4及びP-糖蛋白質に対する阻害作用により、左記薬剤の代謝及び排出が阻害される。
本剤のP-糖蛋白質に対する阻害作用により、左記薬剤の排出が阻害される。
イトラコナゾール
HIVプロテアーゼ阻害剤
〔サキナビルメシル酸塩 リトナビル 等〕
本剤の未変化体の血中濃度上昇による作用の増強等の可能性がある。
また、イトラコナゾール、サキナビルメシル酸塩の併用においては、これら薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性がある。
異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
本剤と左記薬剤のCYP 3A4に対する阻害作用により、相互に代謝が阻害される。
リファブチン
エトラビリン
左記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性がある。
また、本剤の未変化体の血中濃度が低下し、活性代謝物の血中濃度が上昇し、本剤の作用が減弱する可能性がある。
異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
本剤のCYP 3A4に対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。
また、左記薬剤のCYP 3A4に対する誘導作用により、本剤の代謝が促進される。
リファンピシン
エファビレンツ
ネビラピン
本剤の未変化体の血中濃度が低下し、活性代謝物の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤の作用が減弱する可能性があるので、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 左記薬剤のCYP 3A4に対する誘導作用により、本剤の代謝が促進される。

(解説)

■ジゴキシン

クラリスロマイシンの併用により、ジゴキシンの血中濃度が上昇し、ジゴキシン中毒(嘔気、錯乱、QT延長等)が発現したとの報告がある。[海外報告][国内報告]
ジゴキシンを服用している患者のうち約10%の患者において、消化管でジゴキシンの30~40%が不活性化されるといわれており、類薬エリスロマイシンは消化管の細菌叢に影響を与えることにより、この不活性化を抑制し、ジゴキシンの血中濃度を上昇させたとの報告がある。[海外報告]
また、健康成人を対象に、P-糖蛋白質遺伝子型で被験者を分け、クラリスロマイシンとジゴキシンの相互作用を検討した結果、P-糖蛋白質のある遺伝子タイプにおいてクラリスロマイシンがジゴキシンのバイオアベイラビリティーを上昇させたという報告がある。[国内報告]

■スルホニル尿素系血糖降下剤(グリベンクラミド等)

クラリスロマイシンとトルブタミドあるいはグリベンクラミドの併用により、低血糖が発現したとの報告がある。[海外報告][国内報告]

■カルバマゼピン

クラリスロマイシンの併用により、カルバマゼピンの血中濃度が上昇し、中毒症状(嗜眠、めまい、眼のかすみ、複視、眼振、吐き気、運動失調等)が発現したとの報告がある。[海外報告]

■テオフィリン

クラリスロマイシンとテオフィリンの併用により、発熱、震えが出現し、横紋筋融解症による急性腎不全が発現したとの報告、健康成人5例または気管支喘息患児18例を対象とした試験において、クラリスロマイシンの併用により、テオフィリンの血中濃度が上昇したとの報告がある。[国内報告]

■シクロスポリン

クラリスロマイシンの併用により、シクロスポリンの血中濃度及び血中クレアチニン濃度が上昇したとの報告がある。[海外報告]

■タクロリムス水和物

クラリスロマイシンの併用により、血中クレアチニン濃度が上昇したとの報告がある。[海外報告]

■アトルバスタチンカルシウム水和物、シンバスタチン、ロバスタチン(国内未承認)

健康成人を対象とした試験において、クラリスロマイシンの併用により、アトルバスタチンカルシウム水和物あるいはシンバスタチンの血中濃度が上昇したとの報告がある。[海外報告]
また、クラリスロマイシンとシンバスタチンあるいはロバスタチンの併用により、横紋筋融解症が発現したとの報告がある。[海外報告]

■コルヒチン

クラリスロマイシンの併用により、発熱、下痢、汎血球減少、腎不全等が発現したとの報告、また、腎臓に障害のある患者でクラリスロマイシンとの併用により、コルヒチン中毒が発現したとの報告がある。[海外報告]

■ベンゾジアゼピン系薬剤:CYP 3A4で代謝される薬剤(トリアゾラム、ミダゾラム等)

健康成人12例を対象とした試験において、クラリスロマイシンの併用により、トリアゾラムの血中濃度が上昇したとの報告、健康成人12例を対象とした試験において、クラリスロマイシンの併用により、ミダゾラムの血中濃度が上昇したとの報告がある。[海外報告]

■非定型抗精神病薬:CYP 3A4で代謝される薬剤(クエチアピンフマル酸塩 等)

クラリスロマイシンの併用により、クエチアピンのクリアランスの低下及び半減期が延長したとの報告がある。[海外報告]

■ジソピラミド

クラリスロマイシンの併用により、QT延長、心室細動が発現したとの報告、ジソピラミドの血中濃度が上昇し、低血糖が発現したとの報告がある。[海外報告][国内報告]

■カルシウム拮抗剤:CYP 3A4で代謝される薬剤(ニフェジピン、ベラパミル塩酸塩 等)

クラリスロマイシンとニフェジピンの併用により、血圧低下、意識低下、徐脈などが発現したとの報告、クラリスロマイシンとベラパミル塩酸塩の併用により、血圧低下、頻脈、徐脈などが発現したとの報告がある。[海外報告]

■ホスホジエステラーゼ5阻害剤(シルデナフィルクエン酸塩 等)

健康成人12例を対象とした試験において、クラリスロマイシンの併用により、シルデナフィルの血中濃度が上昇したとの報告がある。[海外報告]

■クマリン系抗凝血剤(ワルファリンカリウム 等)

クラリスロマイシンとワルファリンカリウムの併用により、INRが上昇したとの報告、INRが上昇し血腫が形成されたとの報告がある。[海外報告]
クラリスロマイシンとフェンプロクモン(国内未承認)の併用により、凝血能低下が亢進したとの報告、クラリスロマイシンとアセノクマロール(国内未承認)との併用により、INRが上昇したとの報告がある。[海外報告]

■オキシコドン塩酸塩水和物

健康成人10例及び高齢者(70~77歳)10例を対象とした試験において、クラリスロマイシンとの併用により、オキシコドンの血中濃度が上昇し、悪心、嘔吐が発現したとの報告がある。[海外報告]

■フェンタニル/フェンタニルクエン酸塩

クラリスロマイシンの併用により、オピオイド誘発性呼吸抑制が発現したとの報告がある。[海外報告]

■イトラコナゾール

成人AIDS患者8例を対象とした試験において、クラリスロマイシンの併用により、イトラコナゾールの血中濃度が上昇したとの報告、また、クラリスロマイシンとイトラコナゾールを投与されたHIV陰性患者3例において、両剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。[海外報告]

■HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル 等)

健康成人22例を対象とした試験において、リトナビルとの併用により、クラリスロマイシン未変化体の血中濃度が上昇したとの報告がある。[海外報告]

■リファブチン

クラリスロマイシンの併用により、ブドウ膜炎が発現したとの報告がある。また、HIV陽性ボランティア34例を対象とした試験において、クラリスロマイシンの未変化体の血中濃度が低下し、活性代謝物(14-ヒドロキシクラリスロマイシン)の血中濃度が上昇したとの報告がある。[海外報告]

■エトラビリン

HIV陰性ボランティアを対象とした試験において、エトラビリンとの併用により、クラリスロマイシン未変化体の血中濃度が低下し、活性代謝物(14-ヒドロキシクラリスロマイシン)及びエトラビリンの血中濃度が上昇したとの報告がある。[海外報告]

■リファンピシン

MAC感染症患者9例を対象とした試験において、リファンピシンとの併用により、クラリスロマイシン未変化体の血中濃度が約1/8に低下したとの報告がある。[海外報告]

 





















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