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相互作用

(1) 併用禁忌とその理由

現段階では定められていない

(2) 併用注意とその理由

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
昇圧アミン
(ノルアドレナリン等)
昇圧アミンの作用を減弱するおそれがあるので、手術前の患者に使用する場合には、一時休薬等の処置を講ずること。 本剤が昇圧アミンに対する血管壁の反応性を低下させるためと考えられている。
ツボクラリン及びその類似物質
(ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物)
麻痺作用を増強することがあるので、手術前の患者に使用する場合には、一時休薬等の処置を講ずること。 血清カリウム値の低下により、これらの薬剤の神経・筋遮断作用が増強されると考えられている。
降圧剤
(ACE阻害剤、β遮断剤等)
降圧作用を増強するおそれがあるので、併用する降圧剤の用量調節に注意する。 併用により降圧作用を増強するおそれがある。
アミノグリコシド系抗生物質
(ゲンタマイシン硫酸塩、アミカシン硫酸塩等)
腎障害及び第8脳神経障害(聴覚障害)を増強するおそれがあるので、併用を避けることが望ましい。やむを得ず投与する場合には、アミノグリコシド系抗生物質の血中濃度をモニターし、投与量、投与間隔を調節する。 アミノグリコシド系抗生物質の腎障害及び聴力障害を増強するおそれがある。
セファロスポリン系抗生物質 腎毒性を増強するおそれがあるので、併用する場合には、慎重に投与する。 尿細管でのナトリウムの再吸収の増加に伴い、セファロスポリン系抗生物質の再吸収も増加し、腎毒性を増強するおそれがある。
ジギタリス剤
(ジギトキシン、ジゴキシン等)
不整脈を起こすおそれがある。血清カリウム値をモニターし、カリウム剤の補充を行う。 低カリウム血症を起こし、ジギタリスの心臓毒性を増強する可能性が考えられる。
糖質副腎皮質ホルモン剤
ACTH
グリチルリチン製剤
過剰のカリウム放出を起こすおそれがあるので、併用する場合には、慎重に投与する。 ともにカリウム排泄作用を有する。
糖尿病用剤 糖尿病用剤の作用を著しく減弱するおそれがある。 細胞内外のカリウム喪失がインスリン分泌の抑制、末梢でのインスリン感受性の低下をもたらすと考えられている。
リチウム
(炭酸リチウム)
リチウム中毒を起こすおそれがあるので、血中リチウム濃度に注意すること。 リチウムの腎における再吸収を促進し、リチウムの血中濃度が上昇するおそれがある。
サリチル酸誘導体
(サリチル酸ナトリウム、アスピリン等)
サリチル酸中毒が発現するおそれがある。 腎の排泄部位において両剤の競合が起こり、サリチル酸誘導体の排泄が遅れるおそれがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤
(インドメタシン等)
本剤の利尿作用が減弱されるおそれがある。 非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成抑制による水、ナトリウム体内貯留傾向が、本剤の水、ナトリウム排泄作用に拮抗するためと考えられている。
尿酸排泄促進剤
(プロベネシド等)
尿酸排泄促進剤の尿酸排泄作用を減弱するおそれがある。 尿酸再吸収の間接的増大により、尿酸排泄促進剤の作用が抑制される。
カルバマゼピン 症候性低ナトリウム血症があらわれることがある。 ナトリウム排泄作用が増強され、低ナトリウム血症が起こる。

<解説>
本剤のアメリカ、ドイツの使用上の注意並びに同種同効薬の使用上の注意を参考に設定した。

〔昇圧アミン(ノルアドレナリン等)〕

ループ利尿剤投与により細胞外カリウム濃度が低下すると、動脈壁血管平滑筋内の内因性昇圧物質や交感神経刺激に対する反応性が低下し、昇圧アミンの作用を減弱することがある。

〔ツボクラリン及びその類似物質(ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物)]

ツボクラリンはアセチルコリンによる脱分極を競合的に遮断し、筋弛緩作用を示す。ループ利尿剤投与により細胞外カリウム濃度が低下すると、筋細胞の静止膜電位が増大し脱分極が起こりにくくなるため、これらの薬剤に対する反応性が増加し、神経・筋遮断作用が増強されると考えられている。

〔降圧剤(ACE阻害剤、β遮断剤等)〕

本剤は利尿作用に基づく降圧作用を有しており、降圧作用が増強するおそれがある。ループ利尿剤はACE阻害剤、β遮断剤等と併用時、降圧作用が増強される。特にACE阻害剤併用時には著しい降圧を起こすことがあり、眠気、ふらふら感、失神をきたすこともある。また、高血圧ラットにおいて、本剤とACE阻害剤等の降圧剤との併用で降圧作用が増強されたとの報告がある。

〔アミノグリコシド系抗生物質(ゲンタマイシン、アミカシン等)〕

腎障害の機序についてはループ利尿剤投与により循環血漿量が減少している状態では、近位尿細管でのナトリウム再吸収の増加に伴い、アミノグリコシド系抗生物質の再吸収も増加し、組織濃度が上昇するためと考えられている。
ループ利尿剤は単独でも聴覚毒性を有し、本剤においても動物実験(ネコ)で、聴覚毒性が報告されている。この機序は、聴覚系末梢の内耳ラセン器の外有毛細胞に一時的に作用する薬理作用によるものと考えられている。同様に聴覚毒性を有するアミノ配糖体との併用により、聴覚毒性が相乗的に増強されるおそれがある。聴覚毒性の増強の機序については、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の再吸収が増加し、内耳外有毛細胞内濃度も上昇するためと考えられている。また、他のループ利尿剤(フロセミド等)とアミノグリコシド系抗生物質との併用で、血清、髄液、中耳液中のアミノグリコシド系抗生物質の濃度が2倍になったとの報告がある。

〔セファロスポリン系抗生物質〕

ループ利尿剤投与により循環血漿量が減少している状態では、近位尿細管でのナトリウム再吸収の増加に伴い、セファロスポリン系抗生物質の再吸収も増加し、組織濃度が上昇、腎毒性が増強すると考えられている。

〔ジギタリス剤(ジギトキシン、ジゴキシン等)〕

ジギタリスの心筋収縮力増強作用は心筋中のカルシウム濃度に比例し、カリウム濃度に反比例する。細胞外カリウムは、ナトリウムとカリウムの出入りをコントロールしているNa,K,-ATPaseに結合部位でジギタリス配糖体と競合するので、細胞外カリウムが減少すると、より多量のジギタリスがNa,K,-ATPaseに結合し、心筋収縮力増加と不整脈が起こる。
利尿によりカリウム排泄量が増すとカリウム濃度が低下し、ジギタリスの作用が増強される。また、利尿により体内の水分を喪失させるので、当然の結果としてジギタリスの血中濃度を上昇させる。なお、健康成人男子を対象とした海外の成績では、本剤はジゴキシンの薬物濃度に影響しなかったとの報告があるものの、低カリウム血症等によるジギタリスの感受性増強のおそれがある。

〔糖質副腎皮質ホルモン剤、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)、グリチルリチン製剤〕

副腎皮質ホルモンは、鉱質コルチコイド(アルドステロン)作用を有するため、遠位尿細管に作用し、ナトリウムの再吸収とカリウムの尿中排泄を増加させる。また、グリチルリチン製剤はその代謝産物が鉱質コルチコイド様作用を有する。一方、ループ利尿剤の投与により、ヘンレ係蹄上行脚で、ナトリウムの再吸収を抑制することにより、ナトリウムの排泄を促進するため、遠位尿細管内のナトリウム濃度が高くなる。その結果、遠位尿細管でのナトリウムとカリウムの交換が活発となりカリウムの排泄が増大すること、及び細胞外液量の減少によりアルドステロンが増加するため低カリウム血症が生じると考えられている。従って両者の併用により、低カリウム血症の発症が助長されると考えられる。

〔糖尿病用剤〕

カリウム欠乏時には、血糖上昇反応に対して膵臓β細胞のインスリンを放出する能力の低下を起こすことが知られているため、併用する場合には、カリウム平衡に特に注意を払うべきである。細胞外のカリウム喪失がインスリン分泌抑制、末梢でのインスリン感受性の低下をもたらすと考えられている。

〔リチウム(炭酸リチウム)〕

機序は明らかではない。リチウムは主としてナトリウムと共に近位尿細管で再吸収される。ループ利尿剤投与によりナトリウムの喪失が起こると、近位尿細管でのリチウムの再吸収が促進され、リチウム中毒を起こすおそれがある。

〔サリチル酸誘導体(サリチル酸ナトリウム、アスピリン等)〕

ループ利尿剤は近位尿細管からの分泌により尿に排泄される。サリチル酸も有機酸であるので近位尿細管からの分泌により排泄される。サリチル酸とループ利尿剤を併用すると近位尿細管で競合が起こり結果的にサリチル酸の排泄が抑制され、サリチル酸中毒が起こるおそれがある。

〔非ステロイド系消炎鎮痛剤(インドメタシン等)〕

非ステロイド系消炎鎮痛剤はプロスタグランジンの合成を阻害するため、腎血流量が減少し、水・ナトリウムの体内貯留をもたらす。従って、ループ利尿剤と非ステロイド系消炎鎮痛剤を併用すると結果的にループ利尿剤の利尿作用が減弱する。
なお、海外の成績で食塩摂取制限を行った健康成人において本剤とインドメタシンの併用により利尿作用が減弱したとの報告がある。
〈Herchuelz, A. et al. : J. Pharmacol. Exp. Ther. 248(3) : 1175, 1989〉

〔尿酸排泄促進剤(プロベネシド等)〕

プロベネシド等の尿酸排泄促進剤は、腎の近位尿細管で尿酸の再吸収を抑制し、尿酸の尿中への排泄を増加させる。一方、利尿剤は、腎での尿酸分泌を競合的に阻害、もしくは細胞外液量の減少に伴い腎における尿酸再吸収を間接的に増大させることにより、高尿酸血症をきたすと考えられている。従って、本剤との併用により、尿酸排泄促進剤の作用が減弱されるおそれがある。

〔カルバマゼピン〕

他の利尿剤とカルバマゼピンとの併用により症候性低ナトリウム血症があらわれ、めまい、錯乱、失見当識がみられたとの報告がある。機序は明らかではないが、両剤はともにナトリウム排泄作用を有するため、併用によりその作用が増強され、低ナトリウム血症が発現するおそれがある。

 





















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