添付文書 | ジェニナック錠200mg

目次[ジェニナック錠200mg 添付文書]

処方せん医薬品

注意-医師等の処方せんにより使用すること

キノロン系経口抗菌剤

ジェニナック錠200mg

メシル酸ガレノキサシン水和物錠

Geninax Tablets 200mg

**改訂(第14版)

  *改訂


貯  法:室温保存

使用期限:ケース等に表示(製造後3年)

日本標準商品分類番号
876241
承認番号 21900AMX01088000
薬価収載 2007年9月
販売開始 2007年10月
国際誕生 2007年7月

[禁忌(次の患者には投与しないこと)]

(1)本剤の成分又は他のキノロン系抗菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者

(2)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

(3)小児等(「7.小児等への投与」の項参照)

[組成・性状]

販 売 名 ジェニナック錠200mg
成分・含量
(1錠中)
メシル酸ガレノキサシン水和物253.53mg
(ガレノキサシンとして200mg)
添 加 物  結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、カルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、トリアセチン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、カルナウバロウ
色 ・ 剤 形 淡橙色のフィルムコーティング錠
外   形  ジェニナック錠上面 ジェニナック錠側面
大きさ(mm) 直径:約8.6、厚さ:約4.7

[効能・効果]

〈適応菌種〉

ガレノキサシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌(ペニシリン耐性肺炎球菌を含む)、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、インフルエンザ菌、レジオネラ・ニューモフィラ、肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ)、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)

〈適応症〉

咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、中耳炎、副鼻腔炎

・肺炎球菌には多剤耐性肺炎球菌を含む。

・耐性菌を含む適応菌種の詳細は、「臨床成績」、「薬効薬理」の項を参照すること。

[用法・用量]

通常、成人においてガレノキサシンとして、1回400mgを1日1回経口投与する。

〈用法・用量に関連する使用上の注意〉

(1)本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

(2)低体重(40kg未満)の患者でかつ透析等を受けていない高度の腎機能障害(Ccr30mL/min未満)の患者への投与は、低用量(200mg)を用いることが望ましい。(「薬物動態」の項参照)

[使用上の注意]

1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

(1)てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣を起こすおそれがある。]

(2)QT延長のある患者[心室性不整脈(Torsades de Pointesを含む)、QT延長を悪化させるおそれがある。]

(3)糖尿病又は耐糖能異常のある患者[血糖値の異常変動があらわれることがある。]

(4)収縮期血圧が90mmHg以下の患者[血圧低下があらわれることがあり、低血圧を悪化させるおそれがある。]

(5)重症筋無力症の患者[症状を悪化させることがある。]

2.重要な基本的注意

(1)ショック、アナフィラキシーが報告されているので、本剤の使用前にアレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。

*(2)意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。

3.相互作用1)

本剤はチトクロームP-450(CYP)による代謝をほとんど受けない。また、CYPの代謝活性を阻害せず、CYPアイソザイムを誘導しない。(「薬物動態」の項参照)

併用注意(併用に注意すること)

薬 剤 名 等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛を含有する製剤
制酸剤、ミネラル入りビタミン剤等
本剤の効果が減弱されるおそれがあるので、本剤服用後2時間以上あけるなど注意すること。 金属イオンと難溶性のキレートを形成し、吸収が阻害されると考えられている2)
ニトログリセリン
硝酸イソソルビド
外国での注射剤の臨床試験において、併用により血圧低下の発現頻度の増加傾向が認められている。 機序不明
クラスIA抗不整脈薬
キニジン、プロカインアミド等
クラスIII抗不整脈薬
アミオダロン、ソタロール等
QT延長、心室性不整脈(Torsades de Pointesを含む)があらわれるおそれがある。 これらの抗不整脈薬では、単独投与でQT延長作用がみられている。
フェニル酢酸系、プロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤 痙攣があらわれることがある。 中枢神経系におけるGABAA受容体への結合阻害が増強されると考えられている。
テオフィリン
アミノフィリン水和物
テオフィリンのCmax、AUCを約20%上昇させることが認められている3)
テオフィリンの中毒症状(消化器障害、頭痛、不整脈、痙攣等)があらわれるおそれがあるので、観察を十分に行い、血中濃度モニタリングを行うなど注意すること。
機序不明
ワルファリン ワルファリンの作用を増強し、出血、プロトロンビン時間の延長等があらわれることがある。観察を十分に行い、血液凝固能検査を行うなど注意すること。 機序不明
降圧作用を有する薬剤(降圧剤、利尿剤等) 併用により降圧作用を増強するおそれがある。 機序不明
血糖降下剤 併用により血糖降下作用を増強するおそれがある。 機序不明

4.副作用

承認時までに国内で実施された臨床試験で、安全性評価対象症例702例中132例(18.80%)に副作用が認められ、211例(30.06%)に臨床検査値異常が認められた。主な副作用は、下痢23例(3.28%)、頭痛12例(1.71%)、軟便10例(1.42%)等であった。また、主な臨床検査値異常は、ALT(GPT)増加10.40%(72/692)、AST(GOT)増加8.38%(58/692)、血中アミラーゼ増加4.23%(29/685)等であった。

(1)重大な副作用

1)ショック、アナフィラキシー(頻度不明):ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、血圧低下、浮腫、発赤等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

2)皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

3)徐脈、洞停止、房室ブロック(頻度不明):徐脈、洞停止、房室ブロック(初期症状:嘔気、めまい、失神等)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

4)QT延長、心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)、心室細動(頻度不明):QT延長、心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)、心室細動があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

5)劇症肝炎、肝機能障害(頻度不明):劇症肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)等の著しい上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

6)低血糖(頻度不明):低血糖があらわれることがある(高齢者、糖尿病患者であらわれやすい)ので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

7)偽膜性大腸炎(クロストリジウム性大腸炎:0.5%未満):偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

8)無顆粒球症、血小板減少(頻度不明):無顆粒球症、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

9)横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

10)幻覚、せん妄等の精神症状(頻度不明):幻覚、せん妄等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11)痙攣(頻度不明):痙攣があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

12)間質性肺炎、好酸球性肺炎(頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、好酸球性肺炎等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

13)重症筋無力症の悪化(頻度不明):重症筋無力症の患者で症状の悪化があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

14)急性腎不全(頻度不明):急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

(2)重大な副作用(類薬)

他のキノロン系抗菌剤で次のような重大な副作用が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

1)中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)

2)間質性腎炎

3)高血糖

4)汎血球減少症

5)アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害

6)血管炎

(3)その他の副作用

次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。

1%以上又は頻度不明 0.5~1%未満 0.5%未満
過敏症 発疹、光線過敏症注1) 湿疹、紅斑、皮膚炎、そう痒症、潮紅、眼瞼浮腫、アレルギー性結膜炎、眼そう痒症
肝臓 AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加、γ-GTP増加、血中ALP増加、血中LDH増加、ビリルビン増加 尿中ウロビリン陽性
腎臓 尿中蛋白陽性、着色尿注1) 血中クレアチニン増加、尿中ブドウ糖陽性 頻尿、BUN増加、尿中白血球陽性、尿中赤血球陽性、尿円柱
消化器 下痢、軟便、便秘、血中アミラーゼ増加 悪心、嘔吐、腹痛、食欲不振、腹部膨満、口渇、舌炎、口唇炎 胃・腹部不快感、消化不良、異常便、口内炎、舌苔
血液 好酸球数増加、白血球数減少、リンパ球形態異常 血小板数増加、ヘモグロビン減少、好中球数減少 赤血球数減少、ヘマトクリット減少、血小板数減少、リンパ球数増加、リンパ球数減少、単球数増加
代謝異常 血中カリウム増加、血中ブドウ糖増加、血中ブドウ糖減少 血中塩化物減少、血中カリウム減少、血中ナトリウム減少
循環器 血圧低下、心電図QT延長 徐脈、心不全、心房細動、洞性不整脈、心室性二段脈、動悸、胸部不快感、胸痛、血圧上昇、心電図異常P波、心電図ST-T変化
精神神経系 頭痛、振戦注1) 傾眠、不眠症、浮動性めまい しびれ
筋・骨格 背部痛 関節痛、筋痛、筋痙攣、足底筋膜炎
呼吸器 喘息、血痰、鼻出血、鼻閉、鼻道刺激感、咽喉頭疼痛、気胸、鼻漏、上気道の炎症、鼻咽頭炎、咽喉頭炎
その他 血中CK(CPK)増加、CRP増加、寒冷凝集素陽性、発熱注1)、悪寒注1) 味覚障害 倦怠感、熱感、異常感、結膜出血、眼痛、眼の充血、色覚異常、単純ヘルペス

注1)頻度不明

5.高齢者への投与4)

本剤の臨床試験成績では、高齢者(65~94歳)において認められた副作用の種類及びその発現率は、非高齢者(18~64歳)と同様であったが、一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の一般状態に注意して投与すること。

6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与

(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

(2)授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。[ヒト母乳中へ移行することが認められている5)。]

7.小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していないので、投与しないこと。(「10.その他の注意」の項参照)

8.過量投与

過量投与に対しては催吐、胃洗浄により胃内薬物を除去すること。症状があらわれた場合には、適切な支持療法及び対症療法を行い、水分を十分に補給すること。なお、本剤は血液透析、腹膜透析では効率よく除去できない。[ガレノキサシン除去率:血液透析(4時間)では投与量の約11%、持続式携帯腹膜透析(72時間)では投与量の約3%6)。]

9.適用上の注意

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

10.その他の注意7)~11)

(1)動物実験(幼若イヌ[3ヵ月齢]、若齢イヌ[8~9ヵ月齢]、ラット[6週齢])において、関節軟骨障害が認められている。

(2)動物実験(マウス、ラット、イヌ及びカニクイザル)において、赤紫又は紫色の可逆性着色が口腔粘膜、眼瞼結膜、皮膚、胃等の器官及び組織で認められている。

[薬物動態]

1.血中濃度

(1)単回投与時12)

健康成人19例に400mgを空腹時単回経口投与したときの薬物動態パラメータは、下表のとおりであった。

投与量
(mg)
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
AUCinf
(μg・hr/mL)
t1/2
(hr)
400 8.86±2.36 1.58±0.97 118.1±17.6 12.4±1.1

平均値±S.D.

健康成人14例に400mgを空腹時単回経口投与したときの薬物動態パラメータ

〈参考:カプセル剤〉13)

健康成人6例に400mgを空腹時単回経口投与したときの薬物動態パラメータは、錠剤400mgと同様の体内動態を示した。

(2)反復投与時13)

〈参考:カプセル剤〉

健康成人6例に400mgを1日1回、14日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータは、下表のとおりであった。投与開始7日目に定常状態に達した。

投与量
(mg)
投与日 Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
AUC0-12
(μg・hr/mL)
t1/2
(hr)
400 1日目  8.36±1.64 2.08±0.80  75.3± 9.2 11.66±1.55
7日目 11.06±1.81 2.25±0.88 110.9± 9.8  9.76±0.60
14日目 10.90±2.08 2.33±0.98 114.9±11.2 10.67±0.55

平均値±S.D.

(3)患者における薬物動態4)

慢性呼吸器感染症患者133例において、400mg投与時のCmaxは9.21±2.28μg/mL、AUC0-24は122.2±34.2μg・hr/mLであった。[Population Pharmacokinetics(PPK)解析]

2.血清蛋白結合率13)

健康成人14例に400mgを空腹時単回経口投与した結果、血清蛋白結合率は79~80%であった(ex vivo)。

3.組織内移行13)~15)

400mgを単回経口投与したときの各組織及び体液への移行は下表のとおりであった。

組織・体液
(採取時間)
血漿中濃度
(μg/mL)
組織・体液中濃度
(μg/g又はμg/mL)
血漿中濃度に対する比
副鼻腔粘膜注1)
(2.65-3.00hr)
6.120±1.799 6.006±1.954 1.028±0.386
口蓋扁桃組織注1)
(2.75-3.33hr)
5.862±0.202 9.438±1.706 1.605±0.244
中耳粘膜注1)
(2.68-3.28hr)
5.798±2.572 5.890±3.279 1.038±0.381
唾液注2)
(2hr)
5.60±1.82 1.63±0.508 0.29±0.04
喀痰注1)
(3hr)
7.34±2.75 3.50±1.17 0.536±0.273
注1)n=5、注2)n=14
平均値±S.D.

〈参考:外国人データ〉5)16)17)

600mgを単回経口投与したときの各組織及び体液への移行は下表のとおりであった。
※:本剤の承認用量は1日1回400mgである。

組織・体液
(採取時間)
血漿中濃度
(μg/mL)
組織・体液中濃度
(μg/g又はμg/mL)
血漿中濃度に対する比
肺実質注1)
(4-6hr)
6.43±2.42 15.16±8.93 2.57±1.81
気管支粘膜
(2-4hr)
7.43±2.95注2) 6.10±1.05注3) 0.99±0.19注3)
肺胞マクロファージ注2)
(2.5-3.5hr)
10.0±2.8 106.1±60.3 11.15±8.16
肺胞上皮被覆液注2)
(2.5-3.5hr)
10.0±2.8 9.2±3.6 0.95±0.41
母乳注2)
(0-6hr)
8.9±2.7 3.0±0.6 0.36±0.1

注1)n=8、注2)n=6、注3)n=3

平均値±S.D.

4.代謝1)18)

血漿中、尿中及び糞中の主代謝物は、硫酸抱合体及びグルクロン酸抱合体で、チトクロームP-450(CYP)による酸化的代謝物はわずかであった。また、ヒト肝ミクロソームを用いた試験において、200μmol/LまでCYP1A2、2A6、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4の代謝活性に対する阻害作用は弱かった。ヒト肝細胞を用いた試験において、CYP1A2、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4の誘導は認められなかった。

5.排泄12)

健康成人19例に400mgを空腹時単回経口投与したときの最高尿中濃度は、投与後0~4時間に267.48±125.28μg/mL注1)であった。また、累積尿中排泄率は、投与24時間後までに34.1±4.6%、72時間後までに49.6±5.7%であった。

注1)n=18

〈参考:外国人データ〉

健康成人8例に[14C]-ガレノキサシンを600mg単回経口投与したとき、尿中及び糞中にほぼ同程度の放射能回収率が得られ、投与後7日目までに尿中に41.8±6.3%、糞中に45.4±7.6%が回収された。
※:本剤の承認用量は1日1回400mgである。

6.腎機能障害時の血中濃度(参考:外国人データ)6)

腎機能正常者、透析を必要としない重度の腎機能障害患者、血液透析(HD)施行患者及び持続式携帯腹膜透析(CAPD)施行患者に600mgを単回経口投与したとき、Cmaxは腎機能正常者と比較し、重度の腎機能障害患者で20~52%減少した。また、AUCは透析を必要としない重度の腎機能障害患者で51%増加し、HD又はCAPD管理の重度の腎機能障害患者で1.2~21%増加した。
※:本剤の承認用量は1日1回400mgである。

腎機能障害の程度
(Ccr:mL/min)
例数 Cmax注1)
(μg/mL)
AUC注1)
(μg・hr/mL)
t1/2注2)
(hr)
Tmax注3)
(hr)
正常
(Ccr>80)
6 12.6
[30.3]
136.4
[20.1]
14.4±3.3 1.00
[0.50, 1.50]
透析を必要としない重度の
腎機能障害患者(Ccr<30)
6 10.1
[37.0]
205.4
[36.4]
26.5±6.9 1.50
[0.50, 2.05]
血液透析(HD)施行患者 7注4) 6.0
[23.6]
138.0
[37.4]
32.7±4.5 1.50
[0.75, 3.00]
6注5) 9.2
[24.0]
156.5
[34.6]
24.5±5.0 0.88
[0.50, 2.00]
持続式携帯腹膜透析
(CAPD)施行患者
6 7.1
[26.7]
165.0
[27.7]
28.5±6.5 2.00
[0.75, 4.00]

注1)幾何平均値[CV%]、注2)平均値±S.D.
注3)中央値[min, max]
注4)600mg投与3時間後からHD実施(4時間)。
注5)HD完了直後に600mgを投与し、投与68時間後からHD実施(4時間)。

〈参考〉

低体重(40kg未満)の患者でかつ透析等を受けていない高度の腎機能障害(Ccr30mL/min未満)の患者に400mgを反復投与したときのAUC0-24の平均は219μg・hr/mL(計算値)であった4)

7.肝機能障害時の血中濃度(参考:外国人データ)

肝機能正常者及び軽度、中等度又は重度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類A、B又はC)に600mgを単回経口投与したとき、Cmaxは肝機能正常者と比較した場合、中等度又は重度の肝機能障害患者でやや低下したが、軽度の肝機能障害患者では低下がみられなかった。また、AUCは肝機能正常者と比較した場合、軽度、中等度又は重度の肝機能障害患者で有意な変化はなかった。
※:本剤の承認用量は1日1回400mgである。

肝機能障害の程度 例数 Cmax注1)
(μg/mL)
AUC注1)
(μg・hr/mL)
t1/2注2)
(hr)
Tmax注3)
(hr)
正常 6 11.0
[29.0]
113.0
[25.8]
11.8±1.5 1.13
[0.50, 3.00]
軽度
(Child-Pugh A)
6 9.9
[18.9]
131.3
[45.7]
17.4±5.8 1.17
[0.75, 3.00]
中等度
(Child-Pugh B)
6 8.3
[17.5]
108.6
[14.1]
20.2±6.8 1.25
[0.50, 2.00]
重度
(Child-Pugh C)
2 7.0
[1.4]
113.9
[37.1]
16.3±2.6 0.63
[0.50, 0.75]

注1)幾何平均値[CV%]、注2)平均値±S.D.
注3)中央値[min, max]

[臨床成績]

1.疾患別有効率

呼吸器感染症及び耳鼻咽喉科領域感染症患者を対象とした、1日1回400mg投与による国内外の第II相及び第III相臨床試験(二重盲検比較試験を含む)における疾患別の有効率は下表のとおりであった。

疾  患  名 国内 外国(参考)
有効例数/有効性評価対象例数 有効率注4)(%) 有効例数/有効性評価対象例数 有効率注5)(%)
咽頭・喉頭炎 17/20 85.0 注6) 注6)
扁桃炎注1) 20/21 95.2
急性気管支炎注2) 21/22 95.5

細菌性肺炎 227/234 97.0 467/506 92.3
マイコプラズマ肺炎 22/22 100 53/54 98.1
クラミジア肺炎 12/13 92.3 79/83 95.2
レジオネラ肺炎 0 6/8 75.0
慢性呼吸器病変の二次感染注3) 139/158 88.0 699/804 86.9
中耳炎 41/47 87.2 注6) 注6)
副鼻腔炎 23/25 92.0 831/911 91.2

注1)扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む。

注2)クラミジア急性気管支炎1例を含む。

注3)国内:慢性気管支炎、びまん性汎細気管支炎、気管支拡張症、気管支喘息、肺気腫、陳旧性肺結核、肺線維症等

  外国:慢性気管支炎

注4)投与終了時の評価

注5)投与終了7日後の評価

注6)本疾患を対象とした臨床試験は実施していない。

2.菌種別菌消失率

国内外の第II相及び第III相臨床試験(呼吸器感染症及び耳鼻咽喉科領域感染症を対象)より収集された、各菌種の菌消失率は下表のとおりであった。本剤の適応菌種に含まれるブドウ球菌属のMRSAについては国内で66.7%(2/3)、外国で87.5%(14/16)、ペニシリン耐性肺炎球菌については国内で100%(27/27)、外国で85.7%(12/14)、多剤耐性肺炎球菌については国内で100%(81/81)、外国で91.4%(32/35)、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリスのβ-ラクタマーゼ産生菌については国内で100%(29/29)、外国で93.3%(125/134)、インフルエンザ菌のBLNARについては国内で100%(49/49)であった。

菌種・菌属 国内 外国(参考)
消失株数/菌消失率評価株数 菌消失率注1)(%) 消失株数/菌消失率評価株数 菌消失率注2)(%)
ブドウ球菌属 53/56 94.6 226/247 91.5
  MRSA 2/3 66.7 14/16 87.5
レンサ球菌属 20/20 100 84/95 88.4
肺炎球菌 122/122 100 304/322 94.4
  ペニシリン耐性肺炎球菌 27/27 100 12/14 85.7
  多剤耐性肺炎球菌注3) 81/81 100 32/35 91.4
モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス 32/32 100 140/150 93.3
  β-ラクタマーゼ産生菌 29/29 100 125/134 93.3
大腸菌 0/0 40/45 88.9
クレブシエラ属 9/11 81.8 61/67 91.0
エンテロバクター属 2/2 100 35/37 94.6
インフルエンザ菌 111/112 99.1 234/249 94.0
  BLNAR 49/49 100
肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ) 8/8 100 0/0

注1)投与終了時の菌消失率

注2)投与終了7日後の菌消失率

注3)多剤耐性肺炎球菌:キノロン耐性(レボフロキサシン:MIC≧8μg/mL)、β-ラクタム耐性(セフロキシム:MIC≧2μg/mL)、マクロライド耐性(エリスロマイシン:MIC≧1μg/mL)、テトラサイクリン耐性(MIC≧8μg/mL)、トリメトプリム/スルファメトキサゾール耐性(MIC≧4/76μg/mL)のうち2剤以上に耐性

[薬効薬理]

1.抗菌作用19)

グラム陽性菌、グラム陰性菌及び非定型菌に対し、幅広い抗菌スペクトルを示し、ブドウ球菌属(MRSAを含む)、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス(β-ラクタマーゼ産生菌を含む)、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、インフルエンザ菌(BLNARを含む)、レジオネラ・ニューモフィラ、肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ)、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)に対して強い抗菌活性を示した。特に、呼吸器感染症の原因菌であるペニシリン耐性肺炎球菌、多剤耐性肺炎球菌を含む肺炎球菌に対して、強い抗菌活性を示した。

2.作用機序19)

本剤は細菌のDNAジャイレース及びトポイソメラーゼIVを阻害し、殺菌的に作用する。一方、真核細胞由来のトポイソメラーゼIIに対する阻害作用は弱く、細菌由来のII型トポイソメラーゼを選択的に阻害した。

[有効成分に関する理化学的知見]

一般名: メシル酸ガレノキサシン水和物
(Garenoxacin Mesilate Hydrate)
略 号: GRNX
化学名: 1-Cyclopropyl-8-(difluoromethoxy)-7-[(1R)-1-methyl-2,3-dihydro-1H-isoindol-5-yl]-4-oxo-1,4-dihydroquinoline-3-carboxylic acid monomethanesulfonate monohydrate
構造式: ジェニナック構造式
分子式: C23H20F2N2O4・CH4O3S・H2O
分子量: 540.53
性 状: 白色の粉末である。NN-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、水にやや溶けにくく、アセトニトリル及びエタノール(95)に溶けにくく、2-プロパノールに極めて溶けにくい。
融 点: 約277℃(分解)

[包 装]

100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)

[主要文献及び文献請求先]

1.主要文献

1) 中村哲朗ほか:日本化学療法学会雑誌, 55 (S-1):87, 2007. [GEN-00226]

2) Krishna G. et al.:Pharmacotherapy, 27:963, 2007. [GEN-00212]

3) 二木芳人ほか:日本化学療法学会雑誌, 55 (S-1):206, 2007. [GEN-00235]

4) 小林宏行ほか:日本化学療法学会雑誌, 55 (S-1):144, 2007. [GEN-00230]

5) Amsden G. W. et al.:J. Clin. Pharmacol., 44:188, 2004. [GEN-00135]

6) Krishna G. et al.:Curr. Med. Res. Opin., 23:649, 2007. [GEN-00200]

7) Nagai A. et al.:J. Toxicol. Sci., 27:219, 2002. [GEN-00071]

8) 社内報告書(毒性試験・イヌ)(DIR070076)

9) 社内報告書(毒性試験・ラット)(DIR070077)

10) 長沢峰子ほか:日本化学療法学会雑誌, 55 (S-1):34, 2007. [GEN-00220]

11) 木澤和夫ほか:日本化学療法学会雑誌, 55 (S-1):42, 2007. [GEN-00221]

12) 社内報告書 (新旧錠剤の生物学的同等性試験) (DIR130073)

13) 内田英二:日本化学療法学会雑誌, 55 (S-1):95, 2007. [GEN-00227]

14) 馬場駿吉ほか:日本化学療法学会雑誌, 55 (S-1):194, 2007. [GEN-00234]

15) 渡辺彰ほか:日本化学療法学会雑誌, 55 (S-1):162, 2007. [GEN-00231]

16) Krishna G. et al.:Curr. Med. Res. Opin., 23:1841, 2007. [GEN-00242]

17) Andrews J. et al.:J. Antimicrob. Chemother., 51:727, 2003. [GEN-00102]

18) Hayakawa H. et al.:Drug Metab. Dispos., 31:1409, 2003. [GEN-00109]

19) 高畑正裕ほか:日本化学療法学会雑誌, 55 (S-1):1, 2007. [GEN-00217]

2.文献請求先・製品情報お問い合わせ先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。

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