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添付文書 | メタルカプターゼカプセル200mg

目次[メタルカプターゼカプセル200mg 添付文書]

警告あり

ウイルソン病治療剤・金属解毒剤

処方せん医薬品注)*メタルカプターゼカプセル200mg

METALCAPTASE cap.200mg

ペニシラミン製剤

**2008年8月改訂(第6版、組成・性状の項からの添加物「亜硫酸水素ナトリウム」の削除等に伴う改訂)

*2007年6月改訂(販売名の変更)

貯法:室温保存

使用期限:外箱に表示

日本標準商品分類番号
873929
*承認番号 21900AMX00679000
*薬価収載 2007年6月
販売開始 1978年6月
効能追加 1999年12月

注)注意-医師等の処方せんにより使用すること

[警告]

無顆粒球症等の重篤な血液障害等が起こることがあるので、使用上の注意に特に留意すること。

[禁忌(次の患者には投与しないこと)]

金剤が投与されている患者[「相互作用」の項参照]

[原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)]

1.血液障害のある患者[重篤な血液障害を起こすおそれがある。]

2.腎障害のある患者[重篤な腎障害を起こすおそれがある。]

3.SLEの患者[SLEの症状を悪化させるおそれがある。]

4.成長期の小児で結合組織の代謝障害のある患者[結合組織異常を起こすおそれがある。]

5.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]

**
*[組成・性状]

販 売 名 メタルカプターゼカプセル200mg
成分・含量 1カプセル中 ペニシラミン 200mg
添 加 物 トウモロコシデンプン
ステアリン酸マグネシウム
カプセル本体:
 ゼラチン
 酸化チタン
 ラウリル硫酸ナトリウム
 黄色4号(タートラジン)
 赤色3号
 青色1号
販 売 名 識 別
コード
剤 形 外形・サイズ等
メタルカプターゼ
カプセル200mg
T652 キャップ部が淡かっ色、ボディ部が淡黄色の1号硬カプセル メタルカプターゼ200カプセル
重量(mg)
約380

[効能・効果、用法・用量]

効 能・効 果 用 法・用 量
○ウイルソン病
 (肝レンズ核変性症)
 通常、成人にはペニシラミンとして1日1,000mgを食前空腹時に1~数回に分けて経口投与する。
 なお、患者の年齢、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じて、一般に1日量600~1,400mgの範囲で増減し、また、投与法についても、連日投与、間歇投与、漸増投与法など各症例ごとに用法及び用量を決定する。
○鉛・水銀・銅の中毒  通常、成人にはペニシラミンとして1日1,000mgを食前空腹時に数回に分けて経口投与する。なお、患者の年齢、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じて、一般に1日量600~1,400mgの範囲で増減し、また、投与法についても、連日投与、間歇投与、漸増投与法など各症例ごとに用法及び用量を決定する。
 通常、小児にはペニシラミンとして1日20~30mg/kgを食前空腹時に数回に分けて経口投与する。なお、患者の年齢、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じて適宜増減する。ただし、1日量は、成人の標準用量(1日1,000mg)を上限とする。

[使用上の注意]

1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

(1)血液障害の既往のある患者[血液障害を起こすおそれがあるので血液検査を定期的に行うこと。]

(2)腎障害の既往のある患者[腎障害を起こすおそれがあるので尿蛋白等の腎機能検査を定期的に行うこと。]

(3)肝障害のある患者[肝機能異常を起こすおそれがあるので肝機能検査値に注意すること。]

(4)ペニシリン系薬剤に対して過敏症の既往のある患者

(5)高齢者[重篤な血液障害等を起こすおそれがある。]

(6)免疫抑制剤が投与されている患者[「相互作用」の項参照]

2.重要な基本的注意

○鉛・水銀・銅の中毒

(1)鉛中毒患者に対する本剤の使用は、重症の場合には静注キレート剤による初期治療後の補助的治療とし、無症状で血中鉛濃度が40~60μg/dL以上に上昇した場合には単独療法とすること。
 また、血中鉛濃度が40~60μg/dL未満まで減少した場合には、本剤の投与中止を検討すること。ただし、他のキレート剤において、投与中止後に血中鉛濃度のリバウンドが報告されているので、本剤中止後も1~2週間は定期的に血中鉛濃度を測定し、リバウンドが認められた場合には本剤の投与を検討すること。
 なお、小児の精神神経系は成人より鉛の影響を受けやすく、低い鉛濃度でも、持続した場合には脳症が発現する危険性が高くなるので、観察を十分行うこと。
 その他の金属中毒に対し本剤を使用する場合は、投与開始及び中止に関する血中金属濃度の指標は明確でないため、臨床症状、健康へ及ぼす影響等を十分に検討すること。

(2)効果が得られるためには、排泄するための十分な尿量が必要であるので、投与前には必ずクレアチニン等の腎機能検査を実施すること。また、投与中も定期的(1~2週間に1回)に検査を行い、腎機能の低下が認められた場合には、血液透析の併用を考慮すること。

(3)本剤の副作用発現頻度は用量依存的に上昇する可能性があり、また重篤な副作用報告があるので、本剤の投与は治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合のみとし、漫然と投与しないこと。

3.相互作用

(1) 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
金剤
 金チオリンゴ酸ナトリウム
  〔シオゾール〕
 オーラノフィン
  〔リドーラ〕
重篤な血液障害が発現するおそれがある。 機序不明

(2)併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
免疫抑制剤 副作用が増強するおそれがある。 機序不明
経口鉄剤
〔クエン酸第一鉄ナトリウム、硫酸鉄   等〕
本剤の効果を減弱するおそれがあるので、やむを得ず投与する場合には、本剤との同時投与は避けること。 同時投与した場合、本剤の吸収率が低下するとの報告がある。
マグネシウム又はアルミニウムを含有する制酸剤
〔水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム〕
亜鉛を含有する経口剤 同時投与した場合、本剤が吸収される前に亜鉛とキレート化され、本剤の吸収率が低下する可能性がある。

4.副作用

○ウイルソン病(肝レンズ核変性症)
 本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

○鉛・水銀・銅の中毒
 本剤は副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。[効能・効果追加時]

(1)重大な副作用

1)白血球減少症、無顆粒球症、顆粒球減少症、好酸球増多症、血小板減少症、再生不良性貧血、貧血(低色素性貧血、溶血性貧血等)、汎血球減少症、血栓性血小板減少性紫斑病(モスコビッチ症候群)、ネフローゼ症候群(膜性腎症等):白血球減少症、無顆粒球症、顆粒球減少症、好酸球増多症、血小板減少症、再生不良性貧血、貧血(低色素性貧血、溶血性貧血等)、汎血球減少症、血栓性血小板減少性紫斑病(モスコビッチ症候群)、ネフローゼ症候群(膜性腎症等)があらわれることがあるので、定期的に検査(血液・尿)を行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

2)肺胞炎、間質性肺炎・PIE(好酸球性肺浸潤)症候群、閉塞性細気管支炎:肺胞炎及び発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎・PIE症候群、閉塞性細気管支炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

3)グッドパスチュア症候群:グッドパスチュア症候群が報告されているので、尿所見の異常と喀血やX線での肺浸潤が関連して認められた場合には、直ちに投与を中止すること。

4)味覚脱失、視神経炎:味覚脱失、視神経炎があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5)SLE様症状、天疱瘡様症状、重症筋無力症:SLE様症状、天疱瘡様症状、重症筋無力症があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

6)神経炎、ギランバレー症候群を含む多発性神経炎:神経炎、ギランバレー症候群を含む多発性神経炎があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

7)多発性筋炎、筋不全麻痺:多発性筋炎、筋不全麻痺があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

8)血栓性静脈炎、アレルギー性血管炎、多発性血管炎:血栓性静脈炎、アレルギー性血管炎(白血球破砕性血管炎等)、肺・腎臓等に多様な臓器障害を引き起こし、血清学的に抗好中球細胞質抗体(MPO-ANCA)陽性であることを特徴とする多発性血管炎等があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

9)胆汁うっ滞性肝炎:関節リウマチ患者で胆汁うっ滞性肝炎が報告されているので、治療期間中は定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。

(2)その他の副作用
 下記のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

頻度不明
精神神経系 めまい、頭痛、知覚障害、眼瞼下垂、昏迷、痙攣
感覚器 味覚異常、耳鳴、視力異常、複視、白内障、聴力低下
消化器 口内炎・口角炎、腹痛、食欲不振、嘔気、嘔吐、下痢、消化性潰瘍、舌炎、消化不良、口内乾燥、胃炎、口唇炎、下血、歯肉炎、便秘、膵炎
皮膚 発疹、そう痒、脱毛、皮膚炎、紫斑、潮紅、皮下出血、結節性紅斑、多形紅斑、創傷治癒障害、穿孔性弾力線維症、爪の異常
肝臓 肝機能障害[AST(GOT)、ALT(GPT)上昇等]、黄疸
腎臓 腎機能障害(尿蛋白、血尿、BUN上昇、クレアチニン上昇)、腎炎
血液 鼻出血、リンパ球減少、白血球増多
血管 毛細血管脆弱
免疫グロブリン 免疫グロブリン(IgA、IgG、IgM)減少注1)
筋・骨格 関節痛、筋肉痛
その他 浮腫、発熱、倦怠感、咽頭炎、無力症、動悸、体重減少、疼痛、陰門びらん、体重増加、ビタミンB6欠乏注2)、乳房肥大、尿失禁

注1)免疫グロブリンの検査を行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

注2)ビタミンB6を併用することが望ましい。

5.高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので慎重に投与すること。

6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与

(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。ただし、ウイルソン病(肝レンズ核変性症)、鉛・水銀・銅の中毒には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[催奇形性を疑う症例報告がある。]

(2)授乳中の婦人には投与しないこと。ただし、やむを得ず投与する場合は、授乳を中止すること。[授乳婦へ投与した場合の乳児に対する安全性は確立されていない。]

7.小児等への投与

○ウイルソン病(肝レンズ核変性症)

小児等に対する安全性は確立していないので、小児等には治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。

○鉛・水銀・銅の中毒

低出生体重児、新生児及び乳児に対する安全性は確立していないので、低出生体重児、新生児及び乳児には治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。

8.適用上の注意

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

[薬物動態]

1.血中濃度1),2)

健常成人に200mgを空腹時単回経口投与した場合、血中濃度パラメータは以下の通りであった。

Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC
(μg・hr/mL)
成人(n=12)0.621.82.32.17

(参考)外国人による成績:
健常成人(n=6)に空腹時、食後、空腹時鉄剤服用直後、空腹時制酸剤(水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム含有)服用直後に、ペニシラミン500mgを単回経口投与した場合、ペニシラミンの血中濃度パラメータは以下の通りであった。
ペニシラミンのT1/2は各群で差は認められないものの、食後、鉄剤服用後及び制酸剤服用後のCmax及びAUCは空腹時に比べ低下した。

Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC
(μg・hr/mL)
空腹時 3.053.82.114.7
食後1.512.32.37.2
鉄剤併用 1.001.31.22.6
制酸剤併用 1.723.01.57.0

2.分布3),4)

(参考)動物による成績:

14C-ペニシラミン20mg/kgをラットに単回経口投与した場合、投与後短時間で中枢神経を除く全身へのすみやかな分布が認められ、大動脈、軟骨、皮膚、アキレス腱への分布が高く、筋肉、脂肪には低かった。なお、本薬は血漿蛋白とジスルフィド結合を形成することが認められ、蛋白結合率は経時的に上昇し投与後24時間ではほぼ100%に達した。

3.代謝・排泄5)

健常成人に200mgを単回経口投与した場合、尿中主代謝物はペニシラミン-システインであり、ペニシラミンジスルフィドも検出された。
投与後24時間までの総ペニシラミンの尿中排泄率は投与量の35.2%であった。

[薬効薬理]6)~11)

ウイルソン病患者において、ペニシラミン2分子は血清銅1分子と結合して可溶性のキレートを形成し、尿中排泄を促進する。血清銅濃度の減少に伴い、組織内の銅が血清中に遊離し、脳、肝、腎、角膜等の臓器内に銅が過剰沈着するのを防ぐ。
重金属(鉛・水銀)負荷ラットにおいて、ペニシラミンは尿中重金属排泄量を増加させ、体外への重金属の除去を促進する。

[有効成分に関する理化学的知見]

一般名ペニシラミン(JAN)

penicillamine(JAN、INN)

化学名3-mercapto-D-valine

構造式

メタルカプターゼ200 構造式

分子式C5H11NO2S

分子量149.21

性 状白色の結晶性の粉末で、わずかに特異なにおいがあり、味は初めやや甘く、後に不快な味がある。

水に溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくい。

融 点約195℃(分解)

旋光度〔α〕20D-60゜~-67゜

[包    装]

PTP100カプセル

**[主要文献]

1)社内資料(血中濃度に関する資料)

2)Osman, M. A. et al. : Clin. Pharmacol. Ther., 33 (4), 465 (1983)

3)野津隆司ほか:応用薬理, 14 (2), 265 (1977)

4)野津隆司ほか:応用薬理, 14 (2), 277 (1977)

5)社内資料(尿中排泄に関する資料)

6)Walshe, J. M. : Clin. Sci., 26, 461 (1964)

7)Hammond, P. B. : Toxicol. Appl. Pharmcol., 26, 241 (1973)

8)Tandon, S. K. et al. : Toxicol. Appl. Pharmcol., 79, 204 (1985)

9)島田秀昭ほか:薬学雑誌, 108 (12), 1209 (1988)

10)Kiyozumi, M. et al. : Chem. Pharm. Bull., 36 (7), 2599 (1988)

11)Shimada, H. et al. : Toxicology, 77, 157 (1993)

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