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添付文書 | ペントシリン静注用1gバッグ/2gバッグ

目次[ペントシリン静注用1gバッグ/2gバッグ 添付文書]

合成ペニシリン製剤

処方箋医薬品注)

ペントシリン静注用1gバッグ

ペントシリン静注用2gバッグ

日本薬局方 注射用ピペラシリンナトリウム


PENTCILLIN

**2016年1月改訂(第12版、使用上の注意改訂等)

*2015年3月改訂(用法及び用量の変更に伴う改訂)

貯  法:室温保存

使用期限:外箱及びラベルに表示の期限内に使用すること

日本標準商品分類番号
876131
1gバッグ2gバッグ
承認番号21400AMZ0059500021400AMZ00596000
薬価収載2002年12月2002年12月
販売開始2003年3月2003年2月
再評価結果2004年9月

注)処方箋医薬品:注意-医師等の処方箋により使用すること

[禁忌(次の患者には投与しないこと)]

1.本剤の成分によるショックの既往歴のある患者

2.伝染性単核球症の患者
〔ペニシリン系抗生物質の投与で発疹が出現しやすいという報告がある〕

[原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)]

本剤の成分又はペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

[組成・性状]

ペントシリン静注用1gバッグ及びペントシリン静注用2gバッグは、薬剤部分と溶解液部分からなり、それぞれ次の成分・分量を含有する。

販 売 名 ペントシリン®静注用
1gバッグ 2gバッグ
薬剤部分[上室] 成  分 日局ピペラシリンナトリウム
含  量 1g(力価) 2g(力価)
色・製剤 白色の凍結乾燥品
溶解液部分[下室] 日局生理食塩液100mL
(100mL中 塩化ナトリウム0.9g含有)

●溶解時のpH及び浸透圧比は下表のとおりである。

濃 度 pH 浸透圧比注1)
1g(力価)/100mL 日局生理食塩液 4.5~8.0 約1
2g(力価)/100mL 日局生理食塩液 4.5~8.0 約1

注1)浸透圧比:生理食塩液に対する比

●溶解時のNa含有量は下表のとおりである。

濃 度 Na含有量
1g(力価)/100mL 日局生理食塩液 17.33mEq(398.5mg)
2g(力価)/100mL 日局生理食塩液 19.26mEq(442.9mg)

[効能又は効果]

〈適応菌種〉

ピペラシリンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、大腸菌、シトロバクター属、肺炎桿菌、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、緑膿菌、バクテロイデス属、プレボテラ属(プレボテラ・ビビアを除く)

〈適応症〉

●敗血症

●急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染

●膀胱炎、腎盂腎炎

●胆嚢炎、胆管炎

●バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎

●化膿性髄膜炎

*[用法及び用量]

ピペラシリンナトリウムとして、通常、成人には、1日2~4g(力価)を2~4回に分けて静脈内に投与する。なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて、1回4g(力価)を1日4回まで増量して静脈内に投与する。
通常、小児には、1日50~125mg(力価)/kgを2~4回に分けて静脈内に投与する。なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて、1日300mg(力価)/kgまで増量して3回に分けて静脈内に投与する。ただし、1回投与量の上限は成人における1回4g(力価)を超えないものとする。

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉

1.高度の腎障害のある患者には、投与量・投与間隔の適切な調節をするなど慎重に投与すること(「薬物動態」の項参照)。

2.本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

*●投与に際して
用時、添付の日局生理食塩液に溶解し、静脈内に点滴投与する。

〈溶解操作方法〉

(1)使用直前に外袋を開封する。

(2)溶解液部分を手で押して隔壁を開通させ、薬剤を完全に溶解させる。
●薬剤部分と溶解液部分を交互に繰り返し押すと、溶解しやすくなる。

(3)溶解を確認する。

上記操作後、ゴム栓部の汚染防止シールをはがして、輸液セットを装着する。
なお、溶解後は速やかに使用すること。

[使用上の注意]

1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

〈ピペラシリンナトリウムに関する注意〉

(1)セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
〔ショックがあらわれるおそれがあるので、十分な問診を行うこと〕

(2)本人又は両親兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい体質を有する患者
〔アレルギー素因を有する患者は過敏症を起こしやすいので、十分な問診を行うこと〕

(3)高度の腎障害のある患者
〔高い血中濃度が持続することがある(「薬物動態」の項参照)〕

(4)経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者
〔食事摂取によりビタミンKを補給できない患者では、ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと〕

(5)出血素因のある患者
〔出血傾向を助長するおそれがある〕

(6)肝障害のある患者
〔血中濃度が持続するおそれがある〕

(7)高齢者
〔「5.高齢者への投与」の項参照〕

〈生理食塩液に関する注意〉

(1)心臓、循環器系機能障害のある患者
〔水分やナトリウム貯留が生じやすく、浮腫等の症状を悪化させるおそれがある(「組成・性状」の項参照)〕

(2)腎障害のある患者
〔高ナトリウム血症等の電解質異常を起こすおそれがある(「組成・性状」の項参照)〕

2.重要な基本的注意

本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。

(1)事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。

(2)投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。

(3)投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。

*3.相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
メトトレキサート1) メトトレキサートの排泄が遅延し、メトトレキサートの毒性作用が増強される可能性がある。
血中濃度モニタリングを行うなど注意すること。
腎尿細管分泌の阻害により、メトトレキサートの腎排泄を遅延させると考えられる。
抗凝血薬
 ワルファリン等
血液凝固抑制作用を増強するおそれがあるので、出血傾向等に注意すること。 本剤の出血傾向や腸内細菌によるビタミンK産生抑制等により相加的に血液凝固抑制作用を増強させると考えられる。

**
  *4.副作用

本剤での臨床試験等、副作用発現頻度が明確となる調査は実施していないが、本剤はペントシリン注射用、筋注用と有効成分が同一であるため、ペントシリン注射用、筋注用の調査結果について以下に示す。

承認時までの調査では、副作用(臨床検査値の変動を含む)は2,432例中148例(6.09%)であった。また、承認後4年間(1979年5月~1983年8月)の使用成績調査では、19,884例中396例(1.99%)であった。
承認時及び承認後4年間の調査において、副作用は総症例22,316例中544例(2.44%)に認められ、発現件数は1,119件であった。その主なものは、発疹175件(0.78%)、AST(GOT)上昇152件(0.68%)、ALT(GPT)上昇143件(0.64%)、発熱120件(0.54%)、白血球減少66件(0.30%)等であった。
重症感染症患者を対象とした臨床試験において、成人(4g×4回/日、点滴静注)では、副作用は102例中44例(43.1%)に認められ、発現件数は54件であった。その主なものは、下痢17件(16.7%)、肝機能異常7件(6.9%)、γ-GTP上昇6件(5.9%)等であった。小児(100mg/kg×3回/日、点滴静注)では、副作用は21例中9例(42.9%)に認められ、発現件数は15件であった。その主なものは、下痢6件(28.6%)、ALT(GPT)上昇3件(14.3%)、AST(GOT)上昇2件(9.5%)等であった。

(1)重大な副作用

1)ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、そう痒等)(0.1%未満)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

2)中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens - Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

3)急性腎不全、間質性腎炎等の重篤な腎障害(頻度不明)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

4)汎血球減少症(頻度不明)、無顆粒球症(0.1%未満)、血小板減少(0.1%未満)、溶血性貧血(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

5)偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明)があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

6)発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群等(頻度不明)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

7)横紋筋融解症(頻度不明)があらわれることがあるので、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。

8)肝機能障害、黄疸(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

(2)その他の副作用

次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。

種 類0.1~1.0%未満
又は頻度不明
0.1%未満
過 敏 症 発熱、発疹、そう痒 浮腫、蕁麻疹、リンパ節腫脹
血  液 顆粒球減少、好酸球増多 血小板減少、貧血
肝  臓 AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDHの上昇 黄疸
消 化 器 悪心・嘔吐、下痢 食欲不振、腹痛
中枢神経 腎不全患者大量投与で痙攣等の神経症状注2)
菌交代症 口内炎、カンジダ症
ビタミン
欠 乏 症
ビタミンK欠乏症状
(低プロトロンビン血症、出血傾向等)注2)
ビタミンB群欠乏症状
(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
そ の 他 頭痛、筋肉痛、しびれ

注2)頻度不明

5.高齢者への投与

高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(「薬物動態」の項参照)。

(1)高齢者では一般的に生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。

(2)高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

*6.妊婦・産婦・授乳婦等への投与

(1)妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

(2)母乳中への移行が報告されているので、授乳中の婦人に投与する場合には授乳を中止させること2)

7.小児等への投与

低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない。

8.臨床検査結果に及ぼす影響

本剤の投与により、ベネディクト試薬等の還元法による尿糖検査では、偽陽性を呈することがあるので注意すること。

9.適用上の注意

(1)投与経路:本剤は点滴静脈内投与にのみ使用すること。

(2)溶解後:

1)本剤の使用にあたっては、完全に溶解したことを確認すること。

2)溶解後は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存を必要とする場合でも冷蔵庫中(約5℃)に保存し、24時間以内に使用すること。

3)アミノグリコシド系抗生物質(トブラマイシン等)と配合すると、アミノグリコシド系抗生物質の活性低下をきたすので、本剤と併用する場合にはそれぞれ別経路で投与すること。

4)残液は決して使用しないこと。

(3)静脈内投与時:

1)寒冷期には溶解液を体温程度に温めて使用すること。

2)静脈内投与により、血管痛、血栓又は静脈炎を起こすことがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意し、注射速度をできるだけ遅くすること。

10.その他の注意

(1)本剤の投与に際しては、定期的に血液検査、肝機能検査等を行うことが望ましい。

(2)外国において嚢胞性線維症の患者で本剤の過敏症状の発現頻度が高いとの報告がある。

(3)併用により、ベクロニウムの筋弛緩作用を延長させるとの報告がある。

*[薬物動態]

本剤での臨床試験は実施していないが、本剤はペントシリン注射用と有効成分が同一であるため、ペントシリン注射用の成績について以下に示す。

1.血中濃度

健康成人にピペラシリンナトリウム1g3)及び2g4)をそれぞれ30分、1時間点滴静注にて単回投与したときの血中濃度の推移は以下のとおりである。

投与量 症例数 t1/2
(hr)
Cmax
(μg/mL)
AUC
(μg・hr/mL)
1g 7 0.780±0.145 60.2±4.91 47.9±5.41
2g 4 0.79±0.11 85.8±1.7 111.6±4.3

(平均値±標準偏差)

健康成人に投与したときの血中濃度の推移

成人患者に4gを1日4回点滴静注したときの薬物動態パラメータ及び血漿中濃度の実測値は以下のとおりである。

投与量
[例数]
AUCτ
(μg・hr/mL)
Cmax
(μg/mL)
t1/2α
(hr)
t1/2β
(hr)
4g×4回/日
[n=98]
688.4±313.0 297.3±59.8 0.6±0.1 1.7±0.6

(平均値±標準偏差)

成人患者に4gを1日4回点滴静注したときの薬物動態パラメータ及び血漿中濃度の実測値

小児患者に100mg/kgを1日3回点滴静注したときの薬物動態パラメータ及び血漿中濃度の実測値は以下のとおりである。

年齢(歳)
[例数]
AUCτ
(μg・hr/mL)
Cmax
(μg/mL)
t1/2α
(hr)
t1/2β
(hr)
2未満
[n=10]
350.7±44.9 231.7±25.1 0.7±0.1 3.8±0.0
2以上6未満
[n=9]
322.3±32.7 211.2±7.3 0.6±0.1 3.8±0.0
6以上12未満
[n=1]
555.4 247.7 1.1 3.8
12以上16未満
[n=1]
375.0 240.8 0.7 3.8

(平均値±標準偏差)

小児患者に100mg/kgを1日3回点滴静注したときの薬物動態パラメータ及び血漿中濃度の実測値

2.組織内移行

胆石症患者に1回2gを30分点滴静注したとき、投与終了約2時間後の胆嚢内胆汁中濃度及び胆嚢組織内濃度は、胆嚢管開存患者(n=7)ではそれぞれ330~2,280μg/mL(平均1,042μg/mL)、9.4~203μg/g(平均60μg/g)であった。また、閉塞患者(n=8)では、それぞれ0.7~34μg/mL(平均13.9μg/mL)、2.5~33μg/g(平均16.5μg/g)であった5)
子宮各組織(子宮内膜、子宮筋層、子宮頸部、子宮膣部、卵管、卵巣)内濃度は、1回2g点滴静注開始65~75分後には33.2~45.1μg/gで最高濃度に達し、また、骨盤死腔液中濃度は点滴静注開始140分後に最高濃度(35.7μg/mL)が認められた6)
なお、臍帯血、羊水中には良好な移行が認められ、母乳中にはわずかに移行が認められた2)
胸水7)、喀痰8)、唾液9)、髄液内7)等にも良好な移行が認められた。

3.蛋白結合率10)

21.2%(ヒト血清、薬剤濃度:25μg/mL、遠心限外濾過法)、血清蛋白との結合は可逆的である。

4.代謝11)

ヒト血漿、尿中にピペラシリン(PIPC)の活性代謝物である脱エチル体(DEt-PIPC)が認められている。

5.排泄3)

1回1gを30分点滴静注したとき、未変化体の24時間累積尿中回収率の平均は、健康な非高齢者(20~40歳、n=7)で56.2% であり、高齢者(65歳以上、Ccr≧40mL/min、n=7)では57.7%であった。

6.腎機能障害者の血中濃度12)

腎機能障害者の血中濃度半減期は腎機能の低下とともに延長し、高度腎機能障害者(Ccr≦10)の場合4.12時間と、腎機能正常者に比べ約4倍の半減期の延長が認められた(外国人:静注、点滴静注データ)。

腎機能障害の程度
(Ccr:mL/min)
例 数 t1/2(hr)
正常者 Ccr>80 18 1.04
軽 度 80≧Ccr>40 13 1.70
40≧Ccr>20 11 2.45
中等度 20≧Ccr>10 7 2.77
高 度 Ccr≦10 18 4.12

7.透析時の血中濃度13)

血液透析中の慢性腎不全患者に2gを投与したときの血中濃度の推移は以下のとおりである(静注データ)。

t1/2(hr) 血中濃度
(24時間後)
血中残存率注3)(%)
6時間後 24時間後
非透析時 7.62 30.6μg/mL 55.2 14.0
透析時 2.37 11.0μg/mL 25.5 4.7

注3)投与1時間後の血中濃度を100とした場合の値

血液透析中の慢性腎不全患者に2gを静注したときの血中濃度の推移

8.高齢者の血中濃度3)

高齢者(65歳以上、Ccr≧40mL/min、n=7)及び健康な非高齢者(20~40歳、n=7)に1回1gを30分点滴静注したとき、高齢者では非高齢者と比較して総クリアランスが約70%に低下し、消失半減期は約0.3時間延長した。

  CL
(mL/min)
t1/2
(hr)
Cmax
(μg/mL)
AUC
(μg・hr/mL)
高齢者 247±37.3 1.10±0.155 65.5±8.39 68.9±10.4
非高齢者 352±36.8 0.780±0.145 60.2±4.91 47.9±5.41

(平均値±標準偏差)

*[臨床成績]

本剤での臨床試験は実施していないが、本剤はペントシリン注射用、筋注用と有効成分が同一であるため、ペントシリン注射用、筋注用の成績について以下に示す。

1,005例についての一般臨床試験(静注、点滴静注、筋注)の概要は次のとおりである。なお、成人の1日投与量は、大部分が2~6gであった。また、呼吸器感染症(2g×2回/日、2時間点滴静注)14)、複雑性尿路感染症(1g×2回/日、静注)15)を対象疾患とした二種類の二重盲検比較試験によりピペラシリンナトリウムの有用性が認められている。

疾患群 疾患名 有効率(%)
全身性感染症 敗血症 75.0( 27/ 36)
呼吸器感染症 急性気管支炎、慢性呼吸器病変の二次感染 61.1( 33/ 54)
肺炎 80.5(140/174)
肺膿瘍、膿胸 65.0( 13/ 20)
尿路感染症 膀胱炎 70.2(179/255)
腎盂腎炎 73.6(192/261)
胆道感染症 胆嚢炎、胆管炎 76.5( 62/ 81)
産婦人科領域
感染症
バルトリン腺炎 90.9( 10/ 11)
子宮内感染 98.2( 55/ 56)
子宮付属器炎 96.0( 24/ 25)
子宮旁結合織炎 90.5( 19/ 21)
化膿性髄膜炎 90.9( 10/ 11)

重症感染症患者を対象とした臨床試験(成人:4g×4回/日、点滴静注、小児:100mg/kg×3回/日、点滴静注)の概要は次のとおりである。

疾患群 疾患名 有効率注4)(%)
全身性感染症 敗血症 77.8( 7/ 9)
呼吸器感染症 慢性呼吸器病変の二次感染 85.7( 6/ 7)
肺炎 72.5(29/40)
肺膿瘍、膿胸 54.5( 6/11)
尿路感染症 腎盂腎炎 72.7( 8/11)
胆道感染症 胆嚢炎 83.3( 5/ 6)
産婦人科領域
感染症
バルトリン腺炎  100( 1/ 1)
子宮付属器炎     0( 0/ 1)
小児科領域感染症 77.8(14/18)

注4)投与終了時又は中止時、ただし尿路感染症は治癒判定時

[薬効薬理]

1.抗菌作用16)

ピペラシリンは緑膿菌をはじめとするグラム陰性菌、腸球菌属をはじめとするグラム陽性菌及び嫌気性菌であるバクテロイデス属に対し、幅広い抗菌スペクトルを有する。また、各種臨床分離株においても、グラム陰性のインフルエンザ菌に対するMIC90は2μg/mL、グラム陽性の肺炎球菌に対するMIC90は2μg/mLであり、フロモキセフより優れた抗菌力を示した(in vitro)。

2.作用機序17)

細菌の細胞壁合成を阻害し、殺菌作用を有する。

[有効成分に関する理化学的知見]

一 般 名ピペラシリンナトリウム
(Piperacillin Sodium)

略  号PIPC

化 学 名Monosodium(2S,5R,6R)-6-{(2R)-2-[(4-ethyl-2,3-dioxopiperazine-1-carbonyl)amino]-2-phenylacetylamino}-3,3-dimethyl-7-oxo-4-thia-1-azabicyclo[3.2.0]heptane-2-carboxylate

構 造 式

ペントシリン構造式

分 子 式C23H26N5NaO7S

分 子 量539.54

性  状白色の粉末又は塊である。

水に極めて溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)に溶けやすく、アセトニトリルにほとんど溶けない。

融  点179~182℃(分解)

分配係数0.07(n-オクタノール-McIlvaine buffer(pH7.0))

[取扱い上の注意]

1.製品の品質を保持するため、本品を包んでいる外袋は使用時まで開封しないこと。

2.次の場合は使用しないこと。

(1)外袋が破損している場合。

(2)溶解液の漏れが認められる場合。

(3)隔壁の開通前に薬剤が溶解している場合。

(4)薬剤が変色している場合や溶解液が着色している場合。

(5)ゴム栓部の汚染防止シールがはがれている場合。

3.ゴム栓への針刺は、ゴム栓面にまっすぐに行うこと。斜めに刺すと、ゴム片が薬液中に混入したり、排出口の側壁を傷つけて液漏れを起こすおそれがある。

4.通気針は不要である。

5.連結管(U字管)による連続投与は行わないこと。

6.容器の液目盛はおよその目安として使用すること。

[包    装]

ペントシリン静注用1gバッグ:10キット

(溶解液:日局生理食塩液 100mL)

ペントシリン静注用2gバッグ:10キット

(溶解液:日局生理食塩液 100mL)

[主要文献]

1)K. Yamamoto, et al.:Annals Pharmacotherapy, 31(10), 1261-1262(1997)

2)松田静治ほか:Chemotherapy, 25(5), 1429-1437(1977)

3)柴孝也:日本化学療法学会雑誌, 51(2), 76-86(2003)

4)松本慶蔵ほか:Chemotherapy, 42(S-2), 281-299(1994)

5)木藤光彦ほか:Jpn. J. Antibiot., 36(8), 2077-2080(1983)

6)高瀬善次郎ほか:産婦人科の世界, 34(12), 1353-1367(1982)

7)宍戸春美ほか:Chemotherapy, 25(5), 1141-1155(1977)

8)松本慶蔵ほか:Chemotherapy, 25(5), 1105-1121(1977)

9)伊藤秀夫ほか:Chemotherapy, 25(5), 1549-1552(1977)

10)才川勇ほか:Chemotherapy, 25(5), 810-815(1977)

11)Y. Minami, et al.:J. Antibiot., 44(2), 256-258(1991)

12)Morrison J. A., et al.:Drugs Exptl. Clin. Res.,7(4), 415-419(1981)

13)草場亮輔ほか:薬理と治療, 10(7), 4053-4057(1982)

14)中川圭一ほか:Chemotherapy, 26(2), 123-166(1978)

15)河田幸道ほか:泌尿紀要, 23(7), 713-742(1977)

16)松崎薫ほか:Jpn. J. Antibiot., 53(8), 573-581(2000)

17)植尾健次ほか:Chemotherapy, 25(5), 700-709(1977)

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