クラリス錠200

特殊背景患者への適正使用情報をご使用の際の注意
 本情報は、添付文書及びインタビューフォーム掲載の情報に基づいて作成されています。
但し 必ずしもすべての方にあてはまるものではありませんので、情報の利用は、利用者の判断のもと、あくまでも参考としてお取り扱い下さい。


 妊婦への投与 授乳婦への投与 小児への投与 腎機能障害時体内動態 高齢者への投与

妊婦への投与

【使用上の注意:妊婦、産婦、授乳婦等への投与】
動物実験で、母動物に毒性があらわれる高用量において、胎児毒性(心血管系の異常、口蓋裂、発育遅延等)が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
 なお、国外における試験で次のような報告がある。SD系ラット(15〜150mg/kg/日)及びCD-1系マウス(15〜1,000mg/kg/日)において、それぞれ母動物に毒性があらわれる最高用量でラット胎児に心血管系異常並びにマウス胎児に口蓋裂が認められた。また、サル(35〜70mg/kg/日)において、母動物に毒性があらわれる70mg/kg/日で9例中1例に低体重の胎児がみられたが、外表、内臓、骨格には異常は認められなかった。
 また、ラットにクラリスロマイシン(160mg/kg/日)、ランソプラゾール(50mg/kg/日)及びアモキシシリン(500mg/kg/日)を併用投与した試験において、母動物での毒性の増強とともに胎児の発育抑制の増強が認められている。
 さらに、ラットにクラリスロマイシン(50mg/kg/日以上)、ラベプラゾールナトリウム(25mg/kg/日)及びアモキシシリン(400mg/kg/日以上)を4週間併用投与した試験で、雌で栄養状態の悪化が認められている。

臨床試験の対象から除外したため、妊婦に対する安全性は確立されていない。
一般感染症における使用成績調査及び特別調査において、本剤投与時の安全性検討対象となった妊婦は401例、出生児は372例であった。
妊娠中における本剤による副作用発現例は4例認められたが、軽度な嘔気2例、軽度な下痢1例、中等度の発疹1例であり、妊婦に特有なものではなく、本剤投与中止及び継続のまま処置薬投与にて軽快した。また、出生児における異常所見として、「形態学的異常所見あり」が3例(胎児仮死、不全口唇裂、心房中隔欠損症が各1例)認められたが、いずれも本剤との関連はないと報告されている。

 [引用文献]社内資料




授乳婦への投与

【使用上の注意:妊婦、産婦、授乳婦等への投与】
ヒト母乳中へ移行することが報告されているので、授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。
なお、動物実験(ラット)の乳汁中濃度は、血中濃度の約2.5倍で推移した。

<参考>乳汁中への移行性(海外データ)
産褥期感染症の女性にクラリスロマイシン250mgを1日2回、6日間投与したときの母乳中のクラリスロマイシン及び14位水酸化体(代謝物)の濃度は、それぞれ血中濃度の約25%、約75%であった。

 [引用文献]諏訪俊男, ほか:Chemotherapy, 36(S-3), 238-247, 1988                Sedlmayr, Th., et al.:Geburtsh. u. Frauenheilk., 53, 488-491, 1993




小児への投与

【使用上の注意:小児等への投与】
低出生体重児および新生児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

臨床試験の対象から除外したため、低出生体重児及び新生児に対する安全性は確立していない。
なお、一般感染症における使用成績調査において、下記のとおり報告された。

  解析対象症例数 副作用発現症例数
(%)
新生児(4週以下)    1 0   
 低出生体重児(出生体重2,500g未満)    0 0   
乳児(〜1歳未満)    49      1  (2.04)
幼児(〜7歳未満) 1,808      18  (1.00)
小児(7歳以上) 4,209      35  (0.83)




腎機能障害時体内動態

【薬物動態:血中濃度(腎機能障害者)】
腎機能正常者と種々な程度の腎機能障害者に200mg(力価)を空腹時単回経口投与し、クレアチニンクリアランス(Ccr)とその体内動態との関係を検討した結果、腎機能の低下に伴ってCmax、AUCは増加、T1/2は延長した(測定法:Bioassay)。

腎機能正常者と腎機能障害者にクラリスロマイシン200mgを空腹時単回経口投与したときのクレアチニンクリアランス(Ccr)の程度毎の血中濃度推移及び各パラメータ値は以下のようであった。(バイオアッセイ法)

血中濃度(腎機能障害者)

クレアチニン
クリアランス
(mL/min)
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC
(μg・hr/mL)
Ccr≒100(n=5)
Ccr≒ 50(n=5)
Ccr≒ 30(n=5)
Ccr≒  5(n=5)
2.02
2.15
2.55
3.54
1.24
1.89
0.96
1.48
2.38
5.74
4.69
6.13
8.89
21.69
18.73
36.89

 [引用文献]瀧井昌英, ほか:Chemotherapy, 37(1), 15-21, 1989




高齢者への投与

【使用上の注意:慎重投与】
高齢者
【使用上の注意:高齢者への投与】
一般に高齢者では、生理機能が低下しており、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、慎重に投与すること。

高齢者での最高血中濃度、AUCの増加が報告されている。
一般感染症における使用成績調査において、下記のとおり報告された。

  解析対象症例数 副作用発現症例数(%)
〜64歳 13,632 101 (0.74)
65歳〜  3,265  28 (0.86)

<参考>血中濃度(高齢者)
重篤な基礎疾患のない66〜82歳(平均72.2歳)の女性3名に200mg(力価)を空腹時単回経口投与し、その体内動態を検討した結果、健常成人と比べるとTmax、T1/2はほぼ同様であったが、Cmax、AUCは明らかに高かった(測定法:Bioassay)。

通常用量での血中濃度(高齢者)

  Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC
(μg・hr/mL)
クラリスロマイシン
200mg
3.72 2.3 4.2 19.20
   (n=3)

 [引用文献]足立 暁, ほか:Chemotherapy, 36(S-3), 660-666, 1988