オゼックス細粒小児用15%

特殊背景患者への適正使用情報をご使用の際の注意
 本情報は、添付文書及びインタビューフォーム掲載の情報に基づいて作成されています。
但し 必ずしもすべての方にあてはまるものではありませんので、情報の利用は、利用者の判断のもと、あくまでも参考としてお取り扱い下さい。


 妊婦への投与 授乳婦への投与 小児への投与 腎機能障害時体内動態
 透析時血中濃度 高齢者への投与


妊婦への投与

【禁忌】
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない〕
ただし、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に対しては、炭疽、コレラに限り、治療上の有益性を考慮して投与すること。
【使用上の注意:妊婦・産婦・授乳婦等への投与】
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
なお、本剤は小児用製剤である。

本剤の臨床試験では、妊婦又は妊娠している可能性のある患者に投与した経験はなく、妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
ただし、炭疽、コレラに限り、治療上の有益性を考慮して投与すること(本剤は小児用製剤である)。

承認時までの臨床試験では、妊婦又は妊娠している可能性のある患者は対象に組み入れていないため使用経験はない。妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び新生児に対する安全性を確認するために、1994年〜1996年に実施したオゼックス錠及びトスキサシン錠の特別調査で収集した6例、並びに1990年1月〜1996年1月に実施した使用成績調査で収集した14例を組み入れた計20例で検討した。その結果、母子ともにオゼックス錠及びトスキサシン錠による異常は認められなかった。




授乳婦への投与

【使用上の注意:妊婦・産婦・授乳婦等への投与】
母乳中への移行が報告されているので、授乳中の婦人に投与する場合には授乳を中止させること。
なお、本剤は小児用製剤である。

急性乳腺炎にて切開排膿ドレナージを施行し、オゼックス錠150mgを1日3回食後経口投与した患者において、投与90分後に母乳中への移行が認められているので、授乳中の婦人に投与する場合には授乳を中止すること。

<参考>乳汁中への移行性
急性乳腺炎にて切開排膿ドレナージを施行し、錠剤150r(トスフロキサシンとして102mg)を1日3回食後経口投与中の3例において、投与90分後の乳汁中濃度は、0.15〜0.68μg/mL(平均0.31μg/mL)であった。

 [引用文献]中村 孝ほか  Chemotherapy 36(S-9), 710 (1988)




小児への投与

【使用上の注意:小児等への投与】
(1)低出生体重児、新生児及び乳児に対する安全性は確立していない。
(2)臨床試験では関節症状を有する患者への使用経験はない。
【使用上の注意:その他の注意】
(1)動物実験(幼若犬)で50mg/kg、500mg/kgを14日間経口投与した結果、関節異常(上腕骨近位端軟骨に微小水疱あるいはびらん)が認められたとの報告がある。なお、臨床試験において、軽度の関節痛が0.85%(2/235例)に認められている。
(2)類薬の海外小児臨床試験において、キノロン系以外の抗菌剤と比較して筋骨格系障害(関節痛、関節炎等)の発現率が高かったとの報告がある。

小児等への投与

(1)オゼックス細粒の単回投与試験、小児肺炎及び小児中耳炎試験では、新生児及び乳児は対象に組み入れていないため使用経験はなく、安全性は確認されていない。
(2)オゼックス細粒の単回投与試験、小児肺炎及び小児中耳炎試験では、関節症状を有する患者は対象に組み入れていないため使用経験はない。

その他の注意

(1)幼若ラット(7日齢)の単回及び1ヵ月間反復経口投与毒性試験において、肩、肘、股及び膝の各関節を肉眼で観察したところ、異常は認められなかった。また、幼若イヌ(3週齢)の1ヵ月間反復経口投与毒性試験において、肩、肘、手根部、股、膝及び足根部の関節を肉眼で観察し、さらに病理組織学的検査も実施したところ、異常は認められなかった。しかし、オゼックス錠承認申請時のデータでは、幼若イヌ(3ヵ月齢前後)において、TFLX50mg/kg、500mg/kgを14日間経口投与した結果、50mg/kg群の4例中1例、500mg/kg群の4例中3例に関節異常(上腕骨近位端軟骨に微小水疱あるいはびらん)が観察された。
なお、オゼックス細粒の小児臨床試験において、関節に関連する副作用の発現率は0.85%(2/235例)であった。2例とも症状は軽度であり、翌日には消失している。そのうちの1例は発現当日にMRI検査を行ったが、異常所見は認められず、動物実験で認められたような関節障害は発現していなかったものと考えられる。
なお、関節炎発現症例の概略は以下の表のとおりである。

関節に関連する副作用一覧  因果関係:1.明らかに関係あり、2.多分関係あり、3.関係あるかもしれない、4.関係なし
 ※本剤の承認用量は1日12mg/kg(分2)である。
副作用名 性別 年齢 1日投与量
(投与期間)
原疾患 発現日 程度 転帰 転帰確認まで 因果関係 画像診断
右外踝関節痛 4 18mg/kg
(8日間)
肺炎 服薬終了3日後 軽度 消失 1日後 3 なし
両肩関節痛 6 12mg/kg
(6日間)
肺炎 服薬終了13日後 軽度 消失 1日後 3 MRI
(異常なし)

 [引用文献]社内資料(関節に及ぼす影響)

(2)類薬(シプロフロキサシン及びレボフロキサシン)の海外小児比較臨床試験において、キノロン系以外の抗菌剤(シプロフロキサシンはセファロスポリン剤、レボフロキサシンは非ニューキノロン系抗菌剤)に比較して、筋骨格系障害(関節痛、関節炎等)の発現率が高かったとの報告があることから記載した。
なお、発現した症状はすべて一過性のものであった。

 [引用文献]Bayer Healthcare. CIPRO TABLETS (ciprofloxacin hydrochloride), CIPRO
       (ciprofloxacin) ORAL SUSPENSION package Insert Text/ 08935877,R.5. 2008.1
       Karande S et. al. Indian Pediatrics 33(11), 910 (1996)
       Noel GJ et. al. Pediatr Infect Dis 26(10), 879 (2007)




腎機能障害時体内動態

【薬物動態】腎機能障害者の血中濃度(錠剤、成人の場合)
腎機能障害者に150mgを食後単回経口投与したとき、下表のとおり、腎機能の低下に伴い血中半減期の延長が認められている。

腎機能障害者をクレアチニンクリアランス(Ccr)値により3群に分類し、錠剤150r(トスフロキサシンとして102mg)を食後単回投与して血中濃度推移を測定し健康成人と比較した。腎機能の低下に伴い、T1/2の延長が認められた。

腎機能障害の程度(Ccr:mL/min) 血中半減期(hr)
正常者  (Ccr≧80)     3.9
軽 度  (80>Ccr≧50)  4.0
中等度  (50>Ccr≧20)  9.8
高 度  (20>Ccr)    10.5

腎機能障害者の血中濃度

<参考>尿中排泄率(腎機能障害者:錠剤、成人)
健康成人及び軽度、中等度、高度の腎障害者に錠剤150r(トスフロキサシンとして102mg)を食後単回投与した時の尿中濃度ピークは腎機能障害の程度が強いほど遅延し、値が低下する傾向が認められた。また12時間までの尿中排泄率は腎機能の程度に応じて低下した。

尿中排泄率(腎機能障害者)

 [引用文献]前田浩志ほか  Chemotherapy 36(S-9), 187 (1988)




透析時血中濃度・除去率

【薬物動態】透析患者の血中濃度(錠剤、成人の場合)
血液透析患者2例に150mgを単回投与したとき、それぞれ投与3時間後に1.6μg/mL、1.5時間後に1.65μg/mLの血中濃度ピーク値を示し、5時間の透析で透析液中に8.33及び7.31%回収された。

 [引用文献]前田浩志ほか  Chemotherapy 36(S-9), 187 (1988)




高齢者への投与

【使用上の注意:慎重投与】
高齢者
【使用上の注意:高齢者への投与】
本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、用量並びに投与間隔に留意し、慎重に投与すること。
なお、本剤は小児用製剤である。

一般に高齢者は腎機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、用量並びに投与間隔に留意し慎重に投与すること。
また、オゼックス細粒小児用15%は小児用製剤であることから、高齢者に投与して薬物動態を検討した臨床試験はない。しかし、高齢者にオゼックス細粒小児用15%を投与する場合には、オゼックス錠と同様に、用量並びに投与間隔に留意し慎重に投与すること。

<参考>通常用量での血中濃度(高齢者:錠剤)
オゼックス錠150mgを明らかな肝・腎障害のない高齢者(68〜83歳、n=5)に食後単回投与した時の薬物動態パラメータは以下のとおりであった。高齢者では若年者に比べAUCの増加が認められた。

   高齢者(n=5)  若年者(n=6)
年齢 77.0±6.0 36.7
体重 54.5±4.2 66.7
Ccr(mL/min) 66.4±21.7
Tmax(hr) 2.93±1.29 1.5
Cmax(μg/mL) 0.45±0.29 0.60
T1/2(hr) 4.50±1.95 3.59
AUC(μg・hr/mL) 4.09±2.12 3.84

<参考>尿中排泄率(高齢者:錠剤)
明らかな肝・腎障害のない高齢者(68〜83歳、n=5)に錠剤150r(トスフロキサシンとして102mg)を食後単回投与した時の、尿中濃度は以下のとおりである。最高尿中濃度は2〜4時間に得られ、58.1μg/mLであった。24時間までの累積尿中回収率は24.4%で若年者に比べて少なく、排泄の遅延が認められた。

尿中排泄率(高齢者)

 [引用文献]稲松孝思ほか  Chemotherapy 36(S-9), 181 (1988)