トミロン細粒小児用10%

特殊背景患者への適正使用情報をご使用の際の注意
 本情報は、添付文書及びインタビューフォーム掲載の情報に基づいて作成されています。
但し 必ずしもすべての方にあてはまるものではありませんので、情報の利用は、利用者の判断のもと、あくまでも参考としてお取り扱い下さい。


 妊婦への投与 小児への投与 腎機能障害時体内動態 高齢者への投与

妊婦への投与

【使用上の注意:妊婦・産婦・授乳婦等への投与】
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、妊娠後期にピボキシル基を有する抗生物質を投与された妊婦と、その出生児において低カルニチン血症の発現が報告されている〕

ピボキシル基を有する抗生物質を小児等に投与した際には、カルニチン排泄が亢進し、低カルニチン血症に至ることがある。また、妊婦の服用により出生児に低カルニチン血症が認められた症例も報告されている。




小児への投与

【使用上の注意:重要な基本的注意】
本剤を含むピボキシル基を有する抗生物質(セフテラム ピボキシル、セフジトレン ピボキシル、セフカペン ピボキシル塩酸塩水和物、テビペネム ピボキシル)の投与により、ピバリン酸(ピボキシル基を有する抗生物質の代謝物)の代謝・排泄に伴う血清カルニチン低下が報告されている。また、小児(特に乳幼児)においては、ピボキシル基を有する抗生物質の投与により、低カルニチン血症に伴う低血糖があらわれることがあるので、ピボキシル基を有する抗生物質の投与に際してはカルニチンの低下に注意すること。
【使用上の注意:重大な副作用】
低カルニチン血症に伴う低血糖(頻度不明)が、小児(特に乳幼児)に対してピボキシル基を有する抗生物質を投与した症例であらわれることがあるので、痙攣、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
【使用上の注意:小児等への投与】
低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない。

ピボキシル基を有する抗生物質服用時には、カルニチン排泄が亢進し、低カルニチン血症に至ることがある。小児(特に乳幼児)では血中カルニチンが少ないため、血中カルニチンの低下に伴う低血糖症状(意識レベル低下、痙攣等)に注意が必要である。

 [引用文献]杉江秀夫ほか:脳と発達24(1):79, 1992




腎機能障害時体内動態

【薬物動態:腎機能障害者の血中濃度(トミロン錠 成人の場合)】
腎機能障害者に100mgを食後単回投与したとき、腎機能の低下に伴い血中半減期の延長が認められている。

<参考>成人データ
腎機能障害者にトミロン錠100rを食後単回経口投与した時の血中濃度推移を検討した結果、障害者では正常者に比し血中濃度は高く持続的で、約2〜5倍の血中半減期(T1/2)の延長が見られた。

 腎機能障害の程度(Ccr:mL/min)  血中半減期(hr)
 正常者    (Ccr≧100)    0.83
 軽 度    (70≧Ccr≧40) 1.46
 中等度    (30≧Ccr≧20) 4.36

腎機能障害者の血中濃度

<参考>尿中排泄率(腎機能障害者:成人データ)
トミロン錠100rを食後単回経口投与した時の尿中回収率は正常者では投与後8時間で22.2%となるが、クレアチニンクリアランス(Ccr)40〜70mL/minの障害者では12.4%、Ccr20〜30mL/minの障害者では9.1%であった。

腎機能障害者の尿中排泄
腎機能障害者の尿中排泄

 [引用文献]福岡義和ほか:Chemotherapy 34(S-2):150, 1986




高齢者への投与

【使用上の注意:慎重投与】
高齢者
【使用上の注意:高齢者への投与】
高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
(1)
高齢者では生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
(2)
高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

明らかな肝・腎障害のない高齢者にトミロン錠100rを空腹時に単回投与した場合、若年者に比べて尿中回収率の低下、最高血中濃度到達時間(Tmax)の遅延、血中半減期(T1/2)の延長が見られた。

高齢者と若年者の薬動力学定数の比較
  年齢 体重
(s)
Ccr
(mL/min)
Tmax
(hr)
Cmax
(μg/mL)
1/2
(hr)
AUC
(μg・hr/mL)
尿中回収率
(0-8hr:%)
高齢者(n=5) 78.2 48.9 67.3 2.05 1.28 1.41 5.18 12.12
若年者(n=6) 32.8 61.8 1.49 1.11 0.83 3.59 22.94

 [引用文献]稲松孝思ほか:日本化学療法学会雑誌43(3):366, 1995


<参考>血中濃度(高齢者:錠剤)
明らかな肝・腎障害のない65〜87歳の高齢者5例にトミロン錠100mgを空腹時に経口投与し、血中濃度を測定したところ、ピーク値は服用後1〜3時間にあり、0.72〜1.9μg/mLの濃度を示した。また、血中半減期(T1/2)は、1.4時間であった。

高齢者の血中濃度
高齢者の血中濃度

 [引用文献]稲松孝思ほか:日本化学療法学会雑誌43(3):366, 1995


<参考>尿中排泄率(高齢者:錠剤)
明らかな肝・腎障害のない65〜87歳の高齢者5例にトミロン錠100mgを空腹時に経口投与し、尿中濃度、尿中排泄率を測定したところ、尿中濃度の平均値のピーク値は、服薬後2〜4時間で75.74μg/mLを示し、24時間までの累積尿中排泄率は13.73%であった。

高齢者の尿中排泄
高齢者の尿中排泄

 [引用文献]稲松孝思ほか:日本化学療法学会雑誌43(3):366, 1995


<参考>錠剤と細粒剤投与時の生物学的同等性(成人)
健康成人男子(12名)にセフテラム ピボキシル100mg力価(トミロン錠100mg1錠またはトミロン細粒1g)を食後投与し、血中濃度推移を比較した結果、血中濃度は錠剤、細粒剤ともにほぼ同等に推移し、生物学的同等性が確認された。
薬動力学的パラメータは、錠剤、細粒剤でTmaxがそれぞれ2.5時間、3.0時間であり、この時のCmaxは1.66μg/mL、1.57μg/mL、AUC0-7も5.10μg・hr/mL、5.11μg・hr/mLと、差はなかった。
また、尿中回収率も24〜25%で同等であった。

 [引用文献]渡辺啓子ほか:化学療法の領域7(2):349, 1991