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ゾシン静注用2.25・4.5、ゾシン配合点滴静注用バッグ4.5

特殊背景患者への適正使用情報をご使用の際の注意

本情報は、添付文書及びインタビューフォーム掲載の情報に基づいて作成されています。
但し 必ずしもすべての方にあてはまるものではありませんので、情報の利用は、利用者の判断のもと、あくまでも参考としてお取り扱い下さい。

妊婦への投与

【使用上の注意:妊婦、産婦、授乳婦等への投与】

妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

国内の臨床試験では妊婦への使用経験はなく、安全性は確立していない。
本剤の投与による妊婦及び胎児への影響を考慮し、抗生物質製剤の注意事項として記載した。なお、参考として、タゾバクタム/ピペラシリン(1:4製剤)での生殖発生毒性試験では催奇形性は認められていないが、ヒトでの反応を予測できるものではない。

[引用文献]

  • 佐藤利和ほか:The Journal of Toxicological Sciences, 19(Suppl.II), 199(1994)
  • 佐藤利和ほか:The Journal of Toxicological Sciences, 19(Suppl.II), 215(1994)
  • 佐藤利和ほか:The Journal of Toxicological Sciences, 19(Suppl.II), 233(1994)

<参考>海外でのカテゴリー分類

分類
FDA:Pregnancy CategoryB(2013年9月)
オーストラリア分類
(The Australian categorisation system for prescribing medicines in pregnancy)
B1(2014年8月)

分類の概要

FDA:
B:  Animal reproduction studies have failed to demonstrate a risk to the fetus and there are no adequate and well-controlled studies in pregnant women OR Animal studies have shown an adverse effect, but adequate and well-controlled studies in pregnant women have failed to demonstrate a risk to the fetus in any trimester.
オーストラリア分類
B1:Drugs which have been taken by only a limited number of pregnant women and women of childbearing age, without an increase in the frequency of malformation or other direct or indirect harmful effects on the human fetus having been observed.
Studies in animals have not shown evidence of an increased occurrence of fetal damage.

授乳婦への投与

【使用上の注意:妊婦、産婦、授乳婦等への投与】

動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されているので、授乳中の婦人に投与する場合には授乳を中止させること。

タゾバクタム/ピペラシリン(1:4製剤)ではラットにおいて、濃度は低いものの乳汁中への移行が認められたので、乳児への影響を考慮し、投与中は授乳を中止させる。なお、本剤ではヒトにおける授乳婦及びその乳児への影響あるいは母乳中への移行について検討していない。

<参考>乳汁中への移行性(ラットにおける成績、TAZ/PIPC(1:4製剤))

TAZとPIPCの配合比が1:4製剤を動物に投与した試験で下記の情報が得られている。
授乳期のラットに14C-タゾバクタム/ピペラシリン又はタゾバクタム/14C-ピペラシリンを50mg/kg(TAZ/PIPC:10/40mg/kg)静脈内投与したときの乳汁中移行を検討した。14C-ピペラシリンの乳汁中濃度は血液中濃度より低濃度で推移し、14C-タゾバクタムの乳汁中濃度は2〜8時間後には血液中濃度よりも高くなったが、24時間以後は血液中濃度とほぼ等しくなり、長時間乳汁中に分泌されることはなかった。

    濃度(μg eq./mL)
5min 30min 2hr 8hr 24hr 48hr
14C-TAZ 乳汁 1.42±1.04 3.03±1.27 2.16±0.77 0.42±0.28 0.08±0.07 0.03±0.04
血液 15.26±5.95 4.93±1.93 0.60±0.19 0.11±0.03 0.06±0.02 0.02±0.02
14C-PIPC 乳汁 0.11±0.06 0.32±0.22 0.23±0.08 0.09±0.06 0.06±0.05 0.02±0.01
血液 41.09±27.07 5.15±2.97 2.05±0.74 0.86±0.19 0.46±0.13 0.25±0.13
平均値±標準偏差

[引用文献]

  • 小室昌仁ほか:Chemotherapy, 42(S-2), 178(1994)

小児への投与

【使用上の注意:慎重投与】

乳・幼児
〔乳・幼児(2歳未満)については下痢・軟便が発現しやすい〕

【使用上の注意:小児等への投与】

(1)低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない(国内における使用経験がない)。

(2)乳・幼児(2歳未満)については下痢、軟便が発現しやすいので慎重に投与すること。
〔下痢・軟便の副作用発現率は2歳未満で57.7%(15例/26例)、2歳以上6歳未満で40.6%(13例/32例)であった〕

【使用上の注意:その他の注意】

幼若イヌを用いた反復投与毒性試験(生後2〜4日のイヌに720mg/kg/日を5週間、あるいは生後52〜64日のイヌに4,500mg/kg/日を7週間)で、散在性の腎嚢胞が認められたとの報告がある。

小児科領域感染症などの臨床試験では低出生体重児及び新生児を除外としており、使用経験がないため、低出生体重児及び新生児に対する安全性は確立していない。
乳・幼児(特に2歳未満)では下痢・軟便の発現率が成人(25.7%(108例/420例))より高いので、慎重に投与する。

<参考>海外におけるTAZ:PIPC製剤の添付文書の記載

出典記載内容
アメリカの添付文書
(2013年9月)

Pediatric Use
Use of Zosyn in pediatric patients 2 months of age or older with appendicitis and/or peritonitis is supported by evidence from well-controlled studies and pharmacokinetic studies in adults and in pediatric patients. This includes a prospective, randomized, comparative, open-label clinical trial with 542 pediatric patients 2-12 years of age with complicated intra-abdominal infections, in which 273 pediatric patients received piperacillin/tazobactam. Safety and efficacy in pediatric patients less than 2 months of age have not been established.

It has not been determined how to adjust ZOSYN dosage in pediatric patients with renal impairment.

イギリスの添付文書
(2013年10月)

Use in children aged below 2 years

The safety and efficacy of Tazocin in children 0-2 years of age has not been established.

No data from controlled clinical studies are available.

腎機能障害患者への投与

【用法及び用量】<用法及び用量に関連する使用上の注意>

腎機能障害患者では、血漿半減期の遅延及びAUCの増加が認められ、血中濃度が増大するので、腎機能障害の程度に応じて投与量、投与間隔の調節が必要である。

【使用上の注意:慎重投与】

腎障害のある患者(血液透析患者を含む)
〔高い血中濃度が持続するので、投与量の減量又は投与間隔をあけて投与すること〕

【薬物動態:腎機能障害患者での薬物動態】

腎機能障害患者において、腎機能の低下に依存した本剤のt1/2の遅延及びAUC0〜tの増加が認められており、腎機能障害のある患者に本剤を投与する場合にはその障害の程度により投与量の減量又は投与間隔をあけて投与する必要がある。

海外における腎機能障害患者を対象とした試験において、腎機能障害患者(健康成人を含む16例)をクレアチニンクリアランス(Ccr)の程度に応じて4つの群に分類し、3.375g(タゾバクタム/ピペラシリン:0.375g/3g)を1日3〜6回(Ccrに応じた投与間隔で)30分、5日間反復点滴静脈内投与し、薬物動態を検討した。その結果、腎機能障害の程度が強くなるに従ってタゾバクタム及びピペラシリンのAUCが上昇し、半減期は延長する傾向が認められた。本試験の結果から、腎機能障害患者では腎機能の程度に応じた投与量や投与間隔の調節が必要であると考えられた。

腎機能障害患者における反復投与時(5日目)の薬物動態パラメータ(外国人)
Ccr
(mL/min)
例数 1日投与間隔 TAZ PIPC
AUC0-τ
(μg・hr/mL)
t1/2
(hr)
AUC0-τ
(μg・hr/mL)
t1/2
(hr)
>90 6 4時間ごと 24.9 0.71 196 0.95
41〜60 6 4時間ごと 65.9 2.15 437 1.71
21〜40 1 6時間ごと 56.1 1.89 301 0.99
≦20 3 8時間ごと 107 6.00 592 2.89

※承認された成人の用量は1日9g(分2)〜18g(分4)である。

[引用文献]

  • ワイス社 社内資料, 腎機能障害患者での薬物動態(1991)

<参考>

(1)日本人の市中肺炎患者(平均のクレアチニンクリアランス推定値82.6mL/min)におけるゾシンの母集団薬物動態(PPK)解析結果に基づき、薬物動態と抗菌効果の相関(PK-PD)をシミュレーションし、市中肺炎患者と同様の%Time above MIC(%TAM)が得られることを指標に、腎機能低下患者におけるゾシンの至適投与量及び投与回数を推定した報告がある。

腎機能障害患者におけるTAZ/PIPCの推奨1日用量 (一部改変)
Ccr(mL/min) 肺炎(重症) 敗血症/肺炎/
尿路感染症(重症)
尿路感染症
(複雑性膀胱炎、腎盂腎炎)
>40 4.5g×4 4.5g×3 4.5g×2
10〜40 4.5g×3
又は2.25g×4
4.5g×2
又は2.25g×3
2.25g×2
<10 4.5g×2
又は2.25g×4
2.25g×2
血液透析(HD)
CAPD

[引用文献]

  • 柴 孝也:日本化学療法学会雑誌, 59(4), 359(2011)

(2)海外での腎障害時の投与方法の目安
日本と用量が同じであるフランスでは、成人におけるクレアチニンクリアランス40mL/min以下の患者及び透析患者に対して以下の推奨用量を設定している。

Tazocillineの添付文書(フランス)における「腎不全患者について」の項抜粋
Ccr(mL/min)推奨1日最大量
>40調整不要*
20〜40 13.5g 分3 (4.5gを8時間ごと)
<20及び血液透析患者**9g 分2 (4.5gを12時間ごと)
*:フランスの成人における通常量は、1日13.5g(分3)。1日18g(分4)まで増量可能。
**:血液透析を行った後は毎回2.25gの追加投与を行う。

高齢者への投与

【使用上の注意:慎重投与】

高齢者

【使用上の注意:高齢者への投与】

高齢者には次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

(1)高齢者では一般に生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすいので、患者の状態を十分に観察し、例えば2.25gの投与から開始するなど慎重に投与すること。

(2)高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

(1)一般に、高齢者では生理機能(腎機能等)が低下していることが多く、副作用が発現しやすいので、患者の状態を十分に観察し、慎重に投与する。特に腎機能が低下した高齢者では注意する。

(2)高齢者で、特に食事摂取によりビタミンKを十分に補給できない場合(経口摂取が不良又は非経口栄養、全身状態が悪いなど)には、抗生物質投与による腸内細菌叢の破壊とビタミンK代謝障害によるビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行う。

なお、国内の臨床試験では、年齢別副作用発現率において高齢者(65歳以上)で特に差を認めなかった。

高齢者における副作用及び臨床検査値異常の発現頻度(国内臨床試験)
項目 対象患者数 副作用発現例数(%)
年齢(歳)成人<65 171 105(61.4)
≧65 249 151(60.6)

<参考>血中濃度(高齢者,外国人データ)

白人の健康被験者(18〜35歳:若年者6名、65〜80歳:高齢者12名)に本剤3.375g(TAZ/PIPC:0.375g/3g)を30分点滴静注し、薬物動態を比較検討した。
若年者と比較して高齢者ではタゾバクタム、ピペラシリンのAUCはそれぞれ19%、21%増加し、半減期はそれぞれ56%、32%延長した。
高齢者におけるタゾバクタム及びピペラシリンの消失遅延が認められたが、その要因としては、加齢による腎機能の低下(被験者のCcr:高齢者90mL/min、若年者182.3mL/min)に起因すると考えられた。しかしながら、これら薬物動態の差は、高齢者において年齢に基づく用量調節を必要とする程大きな差異ではなかった。

測定薬剤 被験者 t1/2
(hr)
Cmax
(μg/mL)
AUC0-∞
(μg・hr/mL)
CLT
(mL/min)
CLR
(mL/min)
Vss
(L/body)
TAZ 若年者 0.74
(19)
25.7
(17)
27.9
(23)
234.7
(23)
178.5
(27)
12.8
(11)
高齢者 1.16
(22)
24.1
(20)
33.1
(20)
194.4
(16)
132.4
(23)
16.7
(20)
PIPC 若年者 0.86
(16)
201.3
(16)
206.8
(23)
251.4
(21)
136.1
(13)
13.0
(15)
高齢者 1.13
(16)
194.8
(18)
250.2
(19)
205.1
(15)
102.1
(22)
15.2
(18)
平均(CV%)

※承認された成人の用量は1日9g(分2)〜18g(分4)である。